沖縄には本州では食べられない珍しい料理がたくさんあります。そんな沖縄料理の中でも特に珍しいのが「山羊料理」です。沖縄では昔から山羊肉を食べる習慣があり、その昔は「薬」としても食べられてきました。そんな山羊料理ですが、妊婦さんが食べる場合は注意が必要です。
沖縄・山羊料理の特徴とは?
山羊肉は沖縄以外でも食べられますが、沖縄の山羊料理は他県にはないレシピが多いのが特徴です。一年の大半が夏の沖縄では、外を歩いているだけでも体力が奪われます。
しかも野菜の栽培に適した土地とは言えないため、肉を食べることでスタミナ源にしてきた歴史があります。かつては那覇市内でも庭に食用の山羊を育てている家がありましたが、現在では田舎でしか見ることはありません。
なお肉の消費量が全国でもトップクラスの沖縄ですが、昔は肉を食べることができるのは年に数回でした。また、山羊肉は祝いの席や神事など特別な日に食べる事が多い沖縄の伝統的な料理です。
かつては薬として食べられていた
山羊肉は滋養強壮に良いといわれ、薬膳料理として食べられてきました。琉球王朝時代に中国の文化・風習が多数移入されてきた沖縄では、医食同源という考え方が根付いています。
そのため「食べる楽しみ」だけでなく「健康維持のための薬」としての意味を持つのが沖縄の食文化です。そのように考えると琉球王朝時代の山羊肉は、今よりもさらに貴重な食材だったといえます。
調味料がたくさん使われている点に注意が必要
山羊肉そのものは高たんぱく質&ローカロリーなおすすめ食材なのですが、かなりにおいが強く、臭い消しのためにさまざまな調味料を使っています。
山羊肉のにおいは非常に独特で、一般的には「ワイルドな味」と表現されるのですが、ストレートに表現するなら「臭い」です。このにおいを消すためにいろいろな調味料を使うのですが、山羊料理の定番メニューである山羊汁にはたっぷりの塩が使われています。
山羊料理は妊婦さんでも食べていいの?
結論から言うと出産予定日が数日に迫っている方ならちゃんと火の通った山羊料理なら食べても大丈夫かもしれないという事です。出産予定日までまだまだ日にちがあるなら様々なリスクを考えて食べないほうが安全です。
というのも、沖縄では妊婦が山羊を食べると出産が早まるというジンクスがあります。これは科学的に根拠がある訳ではありませんが、山羊料理を食べた翌日に出産したという話をちらほら聞きます。ただ、統計が取れている訳でもないのでなんとも言えません。
では、なぜ出産予定日までまだまだ日にちがある人は食べないほうがいいのかについてですが、【妊娠高血圧症候群】発症の可能性や【トキソプラズマ】の感染リスクが挙げられます。
まず、妊娠高血圧症候群についてですが、妊娠高血圧症は、妊娠20週から産後12週までの間に元々高血圧の症状が無かった人が高血圧になる病気です。
山羊料理はもともと高血圧の人は食べないほうが良いとされている料理です。臭みを消すために多くの塩分などが使用されている為、おすすめできません。妊娠高血圧症候群になると様々な病気を引き起こす可能性があります。
次に【トキソプラズマ】についてですが、妊娠中の女性が気に留めておきたい感染症の一つです。
トキソプラズマに感染するリスクのある食材は、豚、羊、山羊の生又は加熱不十分な肉と山羊の生乳等とされています。
トキソプラズマは健康な方であれば母体は無症状である事が多いようです。ですが、経胎盤感染する事があり、感染すると胎内死亡、流産、網脈絡膜炎、小眼球症などを発症する可能性があります。