沖縄のコンビニには沖縄土産の定番菓子やポーク缶など、沖縄土産や本土に住む家族や友人への差し入れに便利な商品が多数あります。ところがコンビニのスナック菓子コーナーにある「カール」が、ある地域ではお土産や差し入れに人気なのです。
カールってどんなお菓子だっけ?
独特の形をしたふんわり食感のスナック菓子・カールは、明治製菓のロングセラー商品です。スナック菓子の元祖とも言われるカールは、1968年に製造・販売されました。
今では毎年数多くのスナック菓子が登場しますが、カールが販売された時代の日本には「スナック菓子」というジャンルそのものがありませんでした。お菓子といえば日持ちがしない和菓子や生菓子ばかりでしたし、1年中食べられるものでもありません。
そこで「1年中いつでも食べられるお菓子を作ろう」と社員の熱意で誕生したのが、沖縄で定番のスナック菓子・カールです。ちなみに「カール」という商品名は、半月状の形に由来するのではなく、当時髪結い人形として女の子に人気が高かった「カール人形」が由来にあります。
どうしてカールが沖縄のお土産や本土へのお土産になるの?
沖縄のコンビニに限らず、地元のスーパーのスナック菓子コーナーでも当たり前のように販売されているカールですが、実はある地域に住んでいる人にとっては「食べたくても食べられないレアなスナック菓子」となっています。
カールの販売を行っている明治製菓の本社は東京にありますが、カールの製造を担当している工場は「四国明治」という明治の子会社が一括で行っています。四国明治のカール工場は愛媛・松山市にありますが、そのことが沖縄のカールがお土産になる理由でもあるのです。
カールの製造工場は、かつて全国に5ヶ所ありました。ところがスナック菓子業界の競争激化によって、明治製菓のロングセラー商品・カールの人気も年々低迷していきます。そのためカールの製造工場を愛媛・松山工場のみとし、その他の4工場での製造をすべて終了しました。
さらに価格据え置きを実現するため、販売エリアを西日本限定にします。これが2017年のことです。そのため2017年以前は全国どこのコンビニ・スーパーでも購入できたカールですが、今では西日本エリアでなければ手に入らないレア商品になっています。
現在販売しているカールのラインナップは?
過去には沖縄限定で販売されたカールと神戸屋のコラボ商品「カールパン」も販売されていましたが、現在は沖縄でも松山工場で作られている2種類のカールのみの販売となっています。
カールチーズあじ
カールはトウモロコシをノンフライで焼き上げることで、サクサクした食感を実現している人気スナック菓子です。そんなカールが最初に発売されたときのフレーバー「チーズあじ」は、現在も沖縄で販売されています。
今では明治製菓を代表するキャラクターにもなっているカールおじさんが、カール片手に手を上げているイラストが、チーズあじのパッケージに描かれています。なおカールおじさんの横で顔と同じサイズのチーズを手にしているのは、カールのオリジナルキャラクター・ケロ太です。
カールうすあじ
現在西日本限定で販売されているもう1つのフレーバー「カールうすあじ」も、沖縄のコンビニやスーパーで購入出来るカール商品です。「うすあじ」とありますが、出汁の旨味を前面に押し出しています。このフレーバーが採用されている理由は、西日本で昆布出汁がよく使われていることと関係します。
その昔、大阪に多くの昆布問屋があったため、関西エリアでは上質な昆布が手に入りやすい環境でした。カールうすあじは西日本限定販売なので、西日本エリアで主流の昆布出汁に風味のよいかつお出汁やシイタケ出汁などをミックスさせたのが「カールうすあじ」です。
カールをお土産・差し入れにする場合の注意点は?
カールといえばスーパーの特売になることも多いスナック菓子ですから、沖縄土産や本土に住む家族への差し入れとして喜ばれるなら、これ以上ないお得な商品といえます。ただしカールをもらって喜ぶのは、カールの販売が終了している東日本のみです。
つまり沖縄を含む西日本では、「カールはどこでも買える定番のスナック菓子」という扱いになります。ですからカールを西日本エリアへのお土産や差し入れにしても、喜ばれるどころか「なんでこれなの?」といぶかしがられるので注意してください。