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3日間で沖縄の世界遺産9個すべてをまわってみた

沖縄の世界遺産は「琉球王国のグスク及び関連遺産群」なので、全部で9か所あります。令和元年に登録20周年となったので、3日間のスケジュールで9か所の世界遺産をすべて回ってみました。

1日目【今帰仁城跡・座喜味城跡】

今帰仁城跡

1日目のトップバッターとして選んだのは、世界遺産の中で最も北のエリアにある今帰仁城跡です。那覇市から沖縄自動車道を使って車で約1時間30分の場所にある今帰仁城跡は、琉球王国が建国される前に北山(沖縄本島北部エリア)を支配していた攀安知(はんあんち)の居城です。

今帰仁城跡

桜の名所でもある今帰仁城は1月下旬の花見シーズンには盛大な桜祭りが行われることもあって、全国各地からたくさんの観光客が訪れます。最近ではフォトウェディングスポットとしても人気がある今帰仁城ですが、そのほとんどが城壁のある風景。使われている石の種類がほかのグスクとは違うので、美しい城跡なのですがどこか荒々しい印象があります。

次に訪れたのが、読谷村にある世界遺産・座喜味城跡です。

座喜味城跡

座喜味城は築城家といわれた護佐丸(ごさまる)が建てた城で、沖縄最古のアーチ門が有名な場所です。琉球石灰岩を切り出して作った美しい曲線状の石垣は「さすが名城」とうなってしまいます。

座喜味城跡

でも1日目に私が座喜味城を訪れたのには、別の理由があります。座喜味城を建てた護佐丸は、この城を建てた後に首里王の命令を受けて北中城村に中城城を建てました。この中城城こそ、ペリー艦隊から築城技術の高さを絶賛されたといわれる名城。つまり中城城を語るには座喜味城なくては語れない、というわけなのです。

ちなみに観光で訪れるなら、1日目の宿泊先を読谷村または恩納村にするのがおすすめです。読谷村・恩納村は沖縄本島内でも有名なビーチリゾートエリアなので、ホテルの客室からの景色は絶景です。

今帰仁城跡
  • 【住所】〒905-0428 沖縄県国頭郡今帰仁村今泊5101
  • 【開所時間】1月~4月、9月~12月 8:00~18:00(最終入場 17:30)

    5月~8月 8:00~19:00(最終入場 18:30)

  • 【観覧料】大人400円、小中学生300円、小学生未満無料
座喜味城跡
  • 【住所】〒904-0301 沖縄県中頭郡読谷村字座喜味708−6
  • 【休園日】無休
  • 【見学】自由見学
  • 【観覧料】無料

2日目【中城城跡・勝連城跡・斎場御嶽】

中城城跡

2日目は、護佐丸が建てた名城・中城城跡からまわります。中城城は護佐丸が建てたといわれていますが、本当は「すでにあった古城を護佐丸が増築した」が正解です。護佐丸は15世紀に活躍した人物ですが、中城城の城壁には14世紀ごろに作られたものがあることが発掘によって分かっています。とはいえ築城家である護佐丸が増築したことによって、中城城はグスクを代表する名城といわれるようになります。

中城城跡

ちなみに中城城と次に訪れる勝連城の城主は因縁の関係にあります。中城城主の護佐丸は、首里の国王の忠臣であったにもかかわらず謀反の疑いをかけられて自害した人物。そして中城城陥落のすぐ後に首里王府軍によって攻め落とされてしまった人物が、勝連城城主の阿麻和利。この2人にまつわるミステリーは多くあり、無料ガイドツアーに参加するとこの2人にまつわる話も聞かせてくれます。

次に訪れるのが勝連城跡です。

勝連城跡

絶景スポットとしても有名な場所ですが、琉球の天下人を夢見ていた阿麻和利の城というだけあって圧倒的なスケールを誇るグスクです。

勝連城跡

ここまで見てきたグスクと勝連城の大きな違いは「城跡から瓦が発見されているか・いないか」にあります。築城年代が古い今帰仁城はもちろんですが、築城家・護佐丸が建てた座喜味城や中城城からは瓦が発掘されていません。

ですからあれほど立派な城壁に囲まれていても、正殿などは茅葺や板葺きの家屋だったのではないかといわれています。これに対して勝連城では瓦が発掘されているため、瓦葺の建物があったことがわかります。

ちなみに世界遺産に登録されているグスクの中で瓦葺の建物があったとされるのは勝連城と琉球国王の首里城のみですから、阿麻和利の力がいかに大きかったかが分かります。

2日目の最後は、琉球王国最高の聖地である斎場御嶽(せーふぁうたき)に立ち寄ります。

斎場御嶽

斎場御嶽で有名な場所は敷地の最奥にある三庫理(さんぐーい)です。2つの巨石の間にできた三角の入口の先に2つのイビ(神域)があるのですが、通路の先にわずかに見える景色が何とも神秘的です。

斎場御嶽

斎場御嶽にはほかにも複数のイビがあるのですが、どれも琉球王朝時代から大切に引き継がれてきた祈りの場なのでどの場所にも香炉が置かれています。

中城城跡
  • 【住所】沖〒901-2314 沖縄県中頭郡北中城村字大城503
  • 【観覧時間】5月~9月 8:30~18:00

    10月~4月 8:30~17:00

  • 【休園日】無休
  • 【観覧料】大人400円、中・高校生300円、小学生200円
勝連城跡
  • 【住所】〒904-2311 沖縄県うるま市勝連南風原3908
  • 【観覧時間】9:00~18:00
  • 【休園日】無休
  • 【観覧料】無料
斎場御嶽
  • 【住所】〒901-1511 沖縄県南城市知念久手堅455
  • 【開館時間】3月~10月 9:00~18:00(最終入場17:30)

    11月~2月 9:00~17:30(最終入場17:00)

    ※入場チケットの販売は最終入場の15分前までです

  • 【休館日】休息日(ホームページで確認してください)
  • 【入館料】大人300円、小中学生150円

3日目【首里城・園比屋武御嶽石門・玉陵・識名園】

首里城

最初に訪れるのは琉球王国を象徴する3つのスポット【首里城】【園比屋武御嶽石門】【玉陵】です。

園比屋武御嶽石門

首里城は琉球の国王の居所であり琉球王国の拠点ですが、グスクの隣には「あの世の首里城」といわれる玉陵があります。

さらに首里城と玉陵の間には、琉球の信仰の象徴ともいえる園比屋武御嶽石門があります。

玉陵

この3つは綾門大道と呼ばれた大通りによってつながっていました。綾門大道は守礼門と中山門(現在はありません)の間にあった通りのことで、首里城から中山門をくぐった先にあるのが玉陵、守礼門をくぐり首里城に向かう途中にあるのが園比屋武御嶽石門です。お城のすぐそばにお墓があるのは琉球ならではの文化で、こうした配置も今も受け継がれる沖縄の先祖崇拝の原点にあるといわれています。

最後に訪れる識名園は、琉球国王と王族の別邸です。

識名園

識名園は別名「南苑」といわれており、首里城の南側に立つ別邸でした。現在はありませんが、戦前には首里城の東側に「東苑」と呼ばれるもう一つの別邸がありました。

識名園

中国からの冊封使のもてなしにも使われた御殿には琉球赤瓦など琉球の建築様式で建てられていますが、自慢の庭には和漢様式が見られます。人工の池の周辺の石橋やお堂などには中国様式が使われていますが、庭を彩る植物などには松などが使われており日本庭園独特の静かなたたずまいが演出されています。和漢折衷様式を取り入れながら琉球独自の庭園を作り上げているところが、識名園の魅力であり見どころといえます。

首里城
  • 【住所】〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目2
  • 【有料区域・開園時間】4月~6月・10月~11月 8:30~19:00

    7月~9月 8:30~20:00

    12月~3月 :30~18:00

    ※入場券販売締切りは閉場時間30分前までです

  • 【有料区域入場料金】大人820円、高校生620円、小・中学生310円、6歳未満無料
園比屋武御嶽石門
  • 【住所】〒903-0816 沖縄県那覇市首里真和志町1丁目17−3(首里城公園内)
  • 【見学時間】自由見学
  • 【観覧料】無料
玉陵
  • 【住所】〒903-0815 沖縄県那覇市首里金城町1丁目3
  • 【観覧時間】9:00~18:00(最終入場17:30)
  • 【休園日】無休
  • 【観覧料】大人300円、中学生以下150円
識名園
  • 【住所】〒902-0072 沖縄県那覇市字真地421−7
  • 【観覧時間】4月~9月 9:00~18:00(最終入場17:30)

    10月~3月 9:00~17:30(最終入場17:00)

  • 【休園日】水曜日※水曜日が祝日または6月23日(慰霊の日)の場合は翌日が休園日です
  • 【観覧料】大人400円、中学生以下200円

3日間あれば9つの世界遺産をすべて見ることができる

今回は久しぶりにすべての世界遺産を回ってみましたが、3日間あればどのスポットもゆっくりと回ることができることが分かりました。周りを気にせずぶらりと見学するのも良いのですが、私が利用したように無料のガイドツアーに参加してじっくりと見学するのもおすすめです。

ちなみに以前私は「1日で全部の世界遺産を見たい」という友人の願いをかなえたことがあるので、時間と回る順番をうまく調整すればたった1日で9つすべて見ることも不可能ではないですよ!

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すいか親方
国際通りのど真ん中に住んでいるため、ウチナンチュを見かけるよりも、観光客や修学旅行生と出会うことの方がはるかに多い毎日を過ごしている「すいか親方」です。
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