沖縄には子授かりのパワースポットがいくつかありますが、「地元しか知らない穴場のパワースポット」もあります。その一つが与那原町にある親川。「本当に子供が出来た!」という実話ありのその場所を訪ねました。
与那原町の親川は天女にまつわる伝説が残る場所だった
与那原町の「親川通り」と呼ばれる一方通行の通りを進んで行くと、通り沿いに石造りの立派な御願所が見えてきます。これが地元では有名な子授かりのパワースポット「親川」です。
地元で「うぇーがー」または「えーがー」と呼ばれているこの場所には豊富な湧水が沸いています。かつてこの辺りにはガジュマルの木がたくさん植えられていて、春になると花が満開に咲いていたといいます。
そんな親川には天女の伝説があります。親川のすぐ近くには「御殿山(うどぅんやま)」と呼ばれる場所があるのですが、神話の時代そこに天女が舞い降りたといいます。そして天女はそこで子供を出産します。その時に産湯として使われたのが親川の水でした。そのことからこの場所は「子授かりのパワースポット」として知られるようになります。
親川の水を額につけると天女のパワーが身につく!
天女伝説が残る親川は、琉球王朝時代には国王のおなり神(国王の守護者)である聞得大君も必ず立ち寄る大切な拝所でもありました。
実は琉球(沖縄)では、古くから「琉球の女性には強い霊力が備わっている」と考えられています。聞得大君は国王を霊力で守る大切な役割があり、国王の妹または国王の血族の女性が務めていました。つまり琉球の国王が最高権力者であるのに対して、聞得大君は霊力を持つ女性たちの最高位にあたるのです。
そんな聞得大君が親川に訪れた時に必ず行うのが「お水撫で」という儀式。これは親川の水を額に塗る儀式なのですが、この儀式によって天女の不思議なパワーを身に着けることが出来るのだそうです。だからこそ親川は、今でも毎日のように訪れる人がいるのです。
「本当に子供が出来た!」実話ありの親川の不思議な力とは?
親川の湧水は、現在拝所の中で大切に守られています。でも親川の聖なる水を求めて毎日のようにこの場所を訪れる人がるため、地元の人の善意で現在は蛇口から直接水をくむことが出来るように…。県内には「聖なる水」と呼ばれる湧水スポットが数多くありますが、こんなに親切な場所はいまだかつて見たことがない…。さすが与那原町!
いやいや今回はそこをほめる場ではありませんでした。ごめんなさい!本題の「子授かりの実話」に戻りましょう。
親川がある場所には「綱曳資料館」の敷地内にあります。
そこの館長さんに話を聞いたところ、つい最近もこの親川の水を飲んだ人が本当に子どもを授かったという話があるのだとか!
この話は今から2年ほど前のこと。子供がなかなかできなくて悩んでいた女性が親川の話を聞きつけこの場所を訪れ、親川の聖なる水を飲んだそうです。するとほどなくして待望の赤ちゃんが女性のお腹に宿ったのです!この話を直接聞いた館長さんは、「やっぱり子授かりの不思議な力があるんだね~!」と満面の笑みで私に説明してくれました。
綱曳資料館に行けば親川の水を無料でもらえる!
親川がある綱曳資料館は、建物の2階にあります。階段を上り資料室の入り口を入ってすぐ右には親川の水を一つずつ小分けしてラッピングしたものが置かれています。それがこれ!
この親川の水セットは、資料館の女性スタッフが一つひとつ手作りでラッピングしてくれているのだそうです。しかも資料館を訪れた人であれば無料で一つ持ち帰っても良いのだとか…。私も館長さんから直接もらいあやからせてもらいました。
でもここまできれいにラッピングをした上で聖なる水を無料で配ってくれる場所は、私が知る限り沖縄ではこの場所だけ。「子供が出来ないことで悩んでいる人の力になりたい」という純粋な想いだけで、これだけ手間のかかる作業を女性スタッフ一人ですべて行っているのだといいます。その話を聞いたとき、与那原町の人々のやさしさに触れたような気がしました。
子授かりのパワースポットは与那原町の人々のやさしさに触れる場所でもあった
天女伝説が残る親川は、今でも地元の人々だけでなく沖縄の人々の祈りの聖地でもあります。そんな親川の水に触れればあなたにも天女のパワーが宿るはずです。沖縄を訪れたならぜひ与那原町にも足を運んでみて!きっとあなたにも近い未来に幸せな知らせが訪れるはずですよ。
親川(綱曳資料館敷地内)- 住所:沖縄県島尻郡与那原町与那原字与那原556
- 見学時間:自由見学
- ※親川の水を無料で配布している資料館の見学は無料ですが、オープン時間に注意が必要です。平日は午後1時~5時30分までとなっていますが、土・日曜日は10時からオープンしています。