沖縄には「そばの日」や「むーちーの日」など〇〇の日というのがたくさんあります。「三線の日」には、実は壮大なロマンがありましたので、ご紹介します。
三線の日の始まりは
三線の日は語呂合わせから、3月4日とされています。正式には「ゆかる日 まさる日 さんしんの日」と言い、1993年に琉球放送が提唱して始まりました。
「ゆかる日」とは、縁起のいい日、めでたい日の意味で、「まさる日」は優る日、勝る日の意味を持ち、「さんしんの日」をよりめでたく、特徴づけるために重ね言葉になっています。
「さんしんの日」は、上原直彦氏(元琉球放送ラジオ局長、パーソナリティ)の構想を実現したもので、8月15日の終戦記念日の正午に甲子園球場では、選手を始め球場全体が黙祷を捧げる姿を見たのがきっかけです。このように、沖縄中をひとつにして同じ想いが共有できるのではないかとの発想から、沖縄の祝いの席では欠かせない「かぎやで風」を正午から毎正時ごとに演奏するアイデアが生まれました。
垣根を越えて想いをひとつに
3月4日の正午の時報に合わせて、読谷村の文化センター鳳ホールでは舞台上と観客席が一斉に「かぎやで風」を演奏します。
と書いてしまうと簡単なことのように思えますが、流派やプロ、アマ、年齢や性別、ベテランや若手などあらゆる垣根を越えて、想いをひとつにして、三線を演奏するのは、壮大なロマンと言えます。
沖縄の昔の家には床の間に三線が飾ってあったそうです。飾ってあったり、眠っている三線をこの日だけでも弾くことが出来たら。それも一斉に弾くことが出来たらとの想いが、沖縄だけでなく、県内外、海外にまで広がっています。
個人個人が”三線の文化を発展・継承する”と意識することはないでしょうが、誰もが自由に音楽を楽しめる平和な世の中であって欲しいとの想いも込められていると思います。
県内各地で三線の日イベント
読谷村文化センターの入場整理券の配布が終了してしまいましたが、県内各地でイベントが開催されます。ごく一部をご紹介。
- 沖縄県立芸術大学琉球芸能専攻
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- 場所:首里城公園 守礼門前(雨天時:室内)
- 時間:12:00
- 若松の会
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- 場所:沖縄県視聴覚障害者福祉センター3階(那覇市松尾)
- 時間:11:30~15:00
- 前川本流民謡協会
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- 場所:晴天→前川朝昭 碑 住所:与那原町東浜25番地
- 時間:12:00~17:00(各時報)
- 琉球島唄協会
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- 場所:道の駅かでな 軒下広場
- 時間:13:00~17:00
などなど。県外、海外でもさんしんの日イベントがあります。
三線とは
三線は木製の筒にヘビの皮を張り、三本の弦を指にはめたバチで弾きます。三線の歴史は中国大陸から伝わりました。いつ頃伝わったかは不明ですが、13世紀から14世紀に伝わったとされています。その後、薩摩や江戸幕府との交流により、本土に伝わりました。
本土ではヘビの皮が手に入りにくかったため、犬や猫の皮を張り、棹も三線とは異なる木で作られたため、三線とは異なる音色の三味線に変化していったと考えられます。つまり、三味線のご先祖が三線なわけですね。
三線のお店で体験も出来ます
三線を販売しているお店でも、三線の体験ができます。ウミカジテラスにある「にふぇ~堂」、国際通りの近くの「ちんだみ」、平和通りの「小さな三線屋さん」などです。初心者でも子供でも、丁寧に教えてくれますが、三線の楽譜は工工四(くんくんしー)と言って漢字で縦に書いてあります。漢字が読めないとちょっと厳しいかもしれません。
さんしんの日に三線の音色に耳を傾けるも良し、実際に演奏するも良しです。この日をきっかけに三線に触れてみませんか?