夏から秋にかけて台風シーズンを迎える沖縄。普段は観光客の姿で混雑する那覇市の牧志公設市場周辺も、さすがに台風接近ともなればいつもの様子とは違います。
牧志公設市場周辺の様子
この場所は、牧志公設市場周辺の中でもちょっと変わった風景が見られる場所です。写真の左手側は島の特産品などを売る昔ながらの店が並び、右手側は飲食店や小さな呑み屋がズラリと並んでいます。だから普段は土産物を買う人と、ビール片手にうまい肴を楽しむ人でごった返しています。
ただしさすがに台風となると、店も閉まってしまいます。この日は台風の直撃ではなかったため、風の状況を見ながらなんとか店を開けようと頑張る店もちらほらあります。
ただこの通りのアーケードは、去年台風の直撃を受けた時にカバーがほとんどめくれあってしまいました。そのためしばらくはお化け屋敷のような状態に…。台風に慣れてしまった私も、さすがにそれを見た時は「やっぱり台風ってすごいんだな」と思ったものです。
雨台風の時はこうなる
台風といっても風が強い「風台風」と雨が強い「雨台風」があります。4月を過ぎたあたりから気温が徐々に30℃に近づき、梅雨明けとなる6月中旬以降は連日35℃の猛暑日が10月頃まで続く沖縄では毎年水不足が心配されます。だから台風といっても「雨台風」は貴重な存在です。
かつては那覇市内でも雨不足のせいで取水制限が起きることもよくありました。さすがに最近では各家庭に水タンクを設置するなどの対策が浸透していることなどによって、よほどのことがない限り沖縄本島内で取水制限が行われることはありません。
だからといって貴重な雨をもたらしてくれる雨台風は、本当であれば喜ばなくちゃいけない存在です。ただ頭ではそのことを分かっていても、台風の雨となると「風」もセットでやってくるため少々うんざりします。
なにしろ雨合羽を着ていても、ほとんど役に立ちません。もちろん傘をさしてもどうせ壊れてしまうので、最初から持って出かけることもありません。だから「沖縄の人は台風に慣れている」とはいっても、やっぱり台風は困った存在なのです。
台風の時は頭上に注意!
台風の時も牧志公設市場周辺はアーケードになっているので、頑張ってそこまでたどり着けば中には頑張って営業しているお店を見つけることが出来ることもあります。でもそもそも牧志公設市場周辺のアーケードは古い!
なにしろ牧志公設市場自体も老朽化が問題となり、2018年夏から建て直しのために工事が始まるくらいです。だからその周辺のアーケードも、かなりいろいろな場所が傷んでしまっています。
そのため「アーケードだから大丈夫」と思っていると、突然滝のような雨水を浴びることになります。しかも穴が開いて滝のように雨が流れ落ちてくる場所は、一か所とは限りません。
だから公設市場周辺はアーケードがあるからといって安心していると、突然びしょぬれになってしまいます。とにかく台風の時に限らず「雨がヒドイ時は頭上に注意!」です。
バイクも雨宿り
学校に通う子供たちや公務員であれば暴風警報が発令した時点で休みになるのですが、牧志公設市場周辺で働く人たちは観光客が相手なので「台風接近のギリギリまで営業をする」または「状況が少しでもよくなれば店を開ける」が鉄則!
しかも公設市場周辺は駐車場がほとんどないため、店で働く人の多くはバイクを利用しています。風や雨の影響をモロに受ける台風時の二輪車の運転は非常に危険なのですが、観光客相手に商売をしているためにそうもいっていられない事情があるのです。
このバイクの持ち主も、きっとそんな事情を抱えながらなんとか店までたどり着いたのに違いありません。この時は雨台風だったため、根性で傘をさし歩いて仕事にやってきたスタッフもいたのかもしれません。台風の時には、バイクにさしてある雨傘を見るだけでもそんな公設市場周辺で働く人たちの苦労が垣間見えてきます。
牧志公設市場周辺で働く人はエライ!
観光客を相手にする市場周辺の店だからこそ、そこで働く人は台風であっても頑張って働いています。さすがに台風直撃となるとほとんどのお店が休業しますが、台風接近程度であれば出来る限り頑張って店を開けるのが公設市場周辺事情です。
だから台風接近のニュースが流れると「明日は休みだ!」とウキウキしてしまう沖縄県民が多い中、台風でも休むわけにはいかない市場周辺で働く人はエライ!
ただし台風時の外出は本当に危険を伴います。観光のために外出をする際は、台風状況を確認の上十分に気を付けて出かけるようにしてくださいね!