国際通りといえば、那覇観光のメインスポット。朝から夜まで観光客の姿で賑わう国際通りですが、その裏側は初めてなのにどこか懐かしい景色があります。
国際通りから一つ裏通りに入ってみよう
国際通りといえば、たくさんの土産物品店や飲食店が軒を並べる那覇市の繁華街。口をガバッと開けた状態で泡盛に漬けられたハブ酒や南国らしいカラフルな色に囲まれた店を一つひとつ覗いているだけであっという間に時間は過ぎていきます。
そんな国際通り散策中の視線はほとんど店の中。通り沿いのビルの隙間から見える那覇の空に気が付く人はあまりいません。
でも国際通りから少し裏通りに入ると、そこは驚くほど静かな住宅街。時間がぴたりと止まってしまったような不思議な感覚があります。
もちろんこうした裏通りにも飲食店はあります。ただその店構えも、国際通りで見られる「作り込まれた沖縄らしさ」とは一味違います。
建物全体が植物におおわれている様子は沖縄では比較的よくみかける景色です。でも国際通りからわずか1分裏道に入っただけでこうした景色に出会えるとは、地元に住んでいてもわからないはず。
それもそのはずです。国際通りは、あくまでも観光スポット。でもその裏側は、昔ながらの古い住宅が密集する静かな住宅街なのですから…。
国際通りの裏側は「沖縄らしい風景」と「沖縄らしくない風景」が混在する
国際通りの裏側には、「沖縄らしい風景」と「沖縄らしくない風景」が混在しています。
まず「今の沖縄を代表する景色」なのが、吉本興業が作った専門学校「沖縄ラフ&ピース専門学校」。沖縄で吉本興業といえば、地元で長年愛されていたデパート「三越」閉店後に期間限定でオープンした「沖縄おもろおばけ屋敷」。
沖縄おもろおばけ屋敷は「お化け屋敷」に「笑い」の要素を加えた吉本興業らしい仕掛。もちろん沖縄ではこれまでになかった新しい感覚のスポットだったので、地元客の姿も多くみられる場所でした。同じ施設内には「よしもと沖縄花月」もあったので、営業当時は「国際通りの新名所」なんて言われていました。
そんな「沖縄おもろおばけ屋敷」が営業終了し、吉本沖縄花月がとまり港近くに場所を移してしまったあとの国際通りからはすっかり吉本色が消えてしまいました。
そんな沖縄で吉本興業の学校が出来るという発表があったときには、「まさか吉本興業が沖縄で学校を?」という驚きの声と同時に「どこに学校作るの?」「どんな学校なの?」という様々な声が…。当時の沖縄はこの話題でもちきりでしたし、私もこのネタで地元の友人と居酒屋で大盛り上がりした記憶があります。
そんな吉本興業が運営する「沖縄ラフ&ピース専門学校」は、国際通りから裏通りに少し入った場所にあります。道路に面した壁一面に窓が設置されている開放的な印象の建物なので、意外とすぐに見つけられます。
とはいえ建物を見つける前の私は、個人的に「お笑い芸人の養成所?」と思い込んでいました。でも実際に建物を見てみると「思っている以上に普通の学校」。イメージとの違いにちょっと驚きます。
イメージとは違う景色といえば、こちらもその一つ。
地裁スペースではあるものの、本格的な和風庭園。こんな粋でステキなスペースがあるのは、琉球王朝時代から作られている伝統の琉球菓子「きっぱん」の店。
住宅街の中にある小さなお店なのですが、上品な和風の雰囲気が漂っています。しかもこのお店は「知る人ぞ知る店」。わざわざきっぱんを買うためだけに国際通りを訪れる人もいるくらいの名店なのです。
つまり現在の国際通りの裏側は、「これからの沖縄を担う若者たちの場所」と「伝統を受け継ぎ守り続ける場所」が混在する場所。そんな景色を眺めながらの散策は、地元に住んでいる私のお気に入りの時間でもあります。
国際通りの裏側に子供たちが集まるのどかな場所もある
国際通りの裏側には小高い山になっています。その山の上には、地元の子供たちが集まるこんなステキな公園もあります。
特別な遊具があるわけではないのですが、広くて静かなこの公園は地元の子供たちの憩いの場。観光客がほとんど来ない場所なので、のんびりお散歩をしているおじいちゃんやおばあちゃんの姿もあります。
2週連続で沖縄に接近した台風にも耐えぬいた立派なガジュマルも公園内には至る所にあります。しかも公園からは国際通り一帯を見下ろすことが出来るちょっとしたビュースポットも…。
こちらは国際通り散策中にちょっと一休みをする人たちに人気があります。もちろんこの日も先客あり。いくら穴場とはいえ、国際通りの賑わいとは一味違った雰囲気が楽しめるこの場所は人気があるようです。
たまには国際通りの裏側も覗いてみませんか?
- 「新しいものと古いもの」
- 「にぎやかな場所と静かな場所」
- 「ワクワクする景色と懐かしい景色」
この対照的なものがお互いに主張しあわずに共存しているのが国際通りの裏側の魅力です。いつもと違った出会いを楽しみたい時には、国際通りにつながる路地に足を踏み入れてみてください。そこには「あなたの知らない那覇の街」がありますよ。