沖縄には様々な観光スポットがありますが、琉球王朝時代より遡ってタイムスリップする場所はなかなか見つからない…。そんなあなたのイメージを覆す、驚きの場所を発見!縄文時代の風を感じる仲原遺跡とは?
サトウキビ畑の中に突如現れる縄文時代の遺跡
仲原(なかばる)遺跡は、伊計島の中心部にあります。有名な伊計ビーチから車で約5分。伊計島のリゾートホテルである「AJリゾートアイランド伊計島」方面に向かって、サトウキビ畑の中を走り続けると、「仲原遺跡」と書かれた小さな看板が見つかります。
この看板のある十字路を左折すると、すぐ右側にあるのが、仲原遺跡です。
縄文時代といえば、石斧。ストレートなこのイメージを再現した巨大なモニュメントが見えたら、そこが仲原遺跡の入り口です。
突然現れる茅葺き屋根の縄文住宅街
仲原遺跡は、縄文時代晩期から弥生時代前期にかけて存在した、伊計島の村落跡です。この遺跡が発見されたのは、1978年のこと。
周辺のサトウキビ畑の土地改良事業が行われることに合わせて、事前調査が行われた時に、偶然発見されたのが仲原遺跡です。
そもそも、沖縄県には他にも縄文時代の遺跡は発見されているのですが、仲原遺跡はその中でも、最大規模の竪穴式住居跡が存在することとしても有名。学術的に見ても、縄文時代晩期の沖縄の様子を知ることが出来る史跡として、非常に貴重な発見だったといわれています。
現在は、発見された遺跡の一部が復元されており、身近に縄文時代の暮らしを知ることが出来る貴重な場所となっています。
茅葺き屋根の竪穴式住居はこうして作られる
仲原遺跡の面白いところは、すべての竪穴式住居が完全に復元されているのではなく、その建築課程を知ることが出来るようになっているというところ。
あえて「土台のみ」「骨組みのみ」という部分的な復元がされているということが、面白い!さて、縄文時代の竪穴式住居。どのように作られたのか、ちょっと見てみましょう。
土台作り
建物を作るためには、まずは土台となる部分が必要になります。
居住部分に穴を掘り、その周辺を、頑丈な石垣を組んでいます。ここがしっかりとしていることによって、気象の変化の激しい沖縄での暮らしを支えていたのでしょう。
骨組み
頑丈な石垣が出来たら、今度は、茅葺き屋根を作るための骨組みに取り掛かるようです。入り口部分だけは確保し、その他は、等間隔で頑丈に枠を組んでいます。
こちらは、実際に中に入ることが出来るので、入ってみました。
こじんまりとした感じはありますが、頑丈な石垣で囲まれた室内は、意外と快適。最も高さがある中心部に立ってみると、身長160㎝の私なら、余裕で立ち上がることが出来るほどの高さがありました。
入口はちょっと狭い感じもありますが、そもそも小柄だったといわれている縄文時代の人々にとっては、ちょうどよいサイズだったのかも…。
骨組みが完成すると、このようになるようです。
茅葺き屋根の竪穴式住居、完成
骨組みの上に茅葺き屋根を取り付けていくと、想像以上に立派な竪穴式住居が完成!
残念ながら、今は中に入ることはできないのですが、骨組みだけの状態と比べると、かなり住宅らしくなっています。
この竪穴式住居が集合すると、村が出来、こんな風景になります。
観光地としてきれいに整備されているものの、敷地内はとても静か。日曜日というのに、ゆっくりと見学することが出来ました。
イチの里 仲原遺跡- 住所:沖縄県うるま市与那城伊計
- 見学時間:設定なし(自由見学)
- 見学料:無料