「湧水がある有名な場所は山間の農村風景の中にあるもの」と思い込んでいた私。まさかかつて住んでいた那覇のベッドタウン・浦添市の住宅街の中に、美しい湧水が見られる奇跡のスポットがあるとは思いもしませんでした!そんな私が住宅街の一角で見つけた浦添市の湧水が「仲間樋川」です。
奇跡の湧水は浦添城址のすぐ近くにひっそりと存在していた
仲間樋川があるのは、浦添城跡に続く道から一つ脇道に入った静かな住宅街の中。すぐ近くには市立浦添小学校があり、夏休み中だったこの日も学校のクラブの帰り道なのか、強い日差しの中を首から下げたタオルで汗を拭きながら家路を急ぐ子供たちの姿に遭遇。
それだけを見るとさほど変わったところのない、普通の住宅街の中の風景。ところがそのすぐ近くに浦添市指定の史跡「仲間樋川」が…。
実はこの場所は浦添市内では最も大きな湧き水とされており、古くはこの集落の貴重な水資源とされていました。沖縄では湧水は「命の水」ともいわれ、人々の命を救う大切な場所でした。そのこともあって県内にある多くの湧水は、ほとんどといってよいほど祈りの場所とされています。
そのためか仲間樋川の入り口に建てられている石碑も、「史跡 仲間の拝所群(仲間樋川)」とご丁寧にかっこ書きされています。最初このかっこ書きに騙されそうになったのですが、実際に中に入ってみると、「どちらの言い分も当たっているな」と納得…。
湧水が流れ出ている場所には、堂々と拝所が!これを見ると、確かに入り口に書かれている「拝所群」という言葉に納得できます。
住宅街の中にあるとは思えない神秘的な光景
湧水が祈りの場所とされているところは、ほとんどが緑に囲まれた場所にあります。ところが仲間樋川の周囲を見渡してみると、それといった感じが全くしません。確かに閑静な住宅街の中にあるため、小学校の方から聞こえてくる子供たちの声以外はほとんど何も聞こえません。
ただ樋川の全体を見てみると、思っている以上に緑に囲まれていることに気が付きます。もちろんそこから湧き出てくる水は、かつて飲料水として使われていたといわれるのが納得できる透明度の高い湧水。
この日は台風が近いこともあって落ち葉がかなり落ちていますが、水場には小さな魚たちが元気よく泳いでいます。
仲間樋川は浦添市でぜひ見ておきたい穴場のパワースポットだった!
浦添城址は映画『ハクソー・リッジ』の公開以降、国内外から多くの観光客が訪れる人気のスポットになっていますが、まさかそのすぐ近くに今でも地元の人々の祈りの場として守り継がれている奇跡の湧水があるということはほとんど知られていません。
もしもあなたがこれまでとは違った浦添の風景を見たいのであれば、ぜひ立ち寄ってみて!住宅街の中にあるこの奇跡のパワースポットを見れば、これまであなたが思っていた浦添のイメージがガラリと変わるはずですよ!
- 住所:〒901-2103 沖縄県浦添市仲間2丁目44
- 見学:自由見学
- 注意点:駐車場がありません。しかも仲間樋川に向かう道はかなり入り組んでいます。「浦添市立浦添小学校」を目指していくとすぐに見つかります。