沖縄といえば海や歴史的建造物などが観光スポットとして知られていますが、自然を楽しむ事が出来るツアーも多くあります。今回は那覇空港からも近いのに神秘的な森が広がるガンガラーの谷に行ってきました。探検気分を体験できるので沖縄の方にもおすすめです!
ガンガラーの谷とは
ガンガラーの谷は、数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れたところに草木が根付き、亜熱帯の森が広がっています。
すぐ近くで発見された「港川人」の居住地ではないかと考えられているので、発掘調査が現在でも行われています。
ガンガラーの谷に入るためにはガイドツアーに参加することが条件になっていて、森の広さは14,500坪、約1kmの道を80分程かけて歩きます。
ちなみに、ガンガラーの谷の名前の由来は、子供が洞穴に石を投げ入れて遊んでいると「ガンガラー」って音をたてるからだそうです。
ロゴマークの葉っぱは、森の中にたくさん生息している下の写真のクワズイモの葉っぱで、名前のとおり食べられません。食べるとしびれたり、触るとかぶれたりします。
アニメの”となりのトトロ”でトトロがかさのかわりにしていた葉っぱのモデルではないかとも言われています。葉を取ってはいけませんが、葉っぱの下に入り込んでトトロになりきった写真を撮るのはOKです。
集合場所はCAVE CAFE(ケイブ カフェ)
ガンガラーの谷ツアーの集合場所はCAVE CAFEです。名前のとおり洞窟の中にあるカフェです。ここまではツアーに参加しなくても誰でも自由に入ることができます。普段はカフェですが、パーティもできますし、ステージを使ってライブイベントなどが開催されることもあります。
ツアー開始10分前までにトイレと受付を済ませて、時間までCAVE CAFEで待ちます。
メニュードリンクとキューブフロート、サンゴビールのみなので、ホットコーヒー(350円)とお土産コーナーにあったおせんべい(150円)をつまむことにしました。
カフェのテーブルの上にパラソルがあるのは、鍾乳洞から水滴が垂れてくるからです。
数日前に降った雨が琉球石灰岩のすき間を通って垂れてきて鍾乳石が少しずつ成長していきます。
CAVE CAFEは35コーヒーです。コーヒー豆を焙煎する時に珊瑚を使い、売上金の一部が珊瑚の保護に使われています。琉球石灰岩も珊瑚からできていますので、珊瑚つながりなのですね。
一歩洞窟に入っただけですが、異空間が広がり、全く違う空気感に癒されます。少しひんやりしているので、長袖を着用すると良さそうです。
ガンガラーの谷のガイドツアーがスタート
まずはステージ上に集合し、ガイドさんからツアーについて説明がありました。虫よけジェルが設置されていて、自由に塗って良いのもうれしいサービスで、タンブラーに入った麦茶のボトルもサービスです。
沖縄は琉球石灰岩が隆起してできた島で、琉球石灰岩は隙間が多いので、降った雨は地表を流れずに、地下を流れました。長い年月をかけて琉球石灰岩が侵食され洞窟となりましたが、天井部分が崩落したあとに草木が根付いたので、思っていたよりもジャングル感がありました。ガイドさんの解説は、鍾乳洞、草木、昆虫にも及びます。
谷の中は広々としていて、歩道はコンクリートで整備されていたので歩きやすいです。
こちらはジャイアントバンブー。植えられたものですが、1年であっという間に成長する竹です。
イナグ洞
イナグとは沖縄の言葉で女性のことで、安産・良縁の祈りがささげられる場所です。入ることは出来ませんが、拝みをすることは出来ます。
なぜここがイナグ洞なのかというと、ガイドさんの持っていた写真を見るとすぐにわかります。
乳房を思わせる鍾乳石とお尻を思わせる鍾乳石があるからなのです。
イキガ洞
こちらの洞窟は入ることができます。入口のところでグループごとにランタンを貸してもらえます。LEDとかじゃなくて、ほんものの炎です。
なんだか冒険映画のテーマ曲が聞こえてきそうですね。わくわく♪イキガとは沖縄の言葉で男性のことで、洞穴の奥へ進むと男性のシンボルのような大きな鍾乳石があります。命の誕生や子供の成長を願うところです。
触ってもいいとのことだったので、触ってみると思ったよりひんやり、すべすべでした。洞穴を出たら、ランタンの炎をフーっと消して返却です。
巨大な岩
右側の大きな石は崖から剥がれ落ちたもので、左側の小さな岩が支えています。長い年月の後には崩れ落ちてしまうだろうと考えられています。
ガンガラーの谷は自然を生かして整備しているので、この道もいつか通れなくなってしまうかもしれません。
大主(うふしゅ)ガジュマル
一番有名で人気のスポットですが、とても神秘的です。ガイドさんがグループごとに記念撮影をして下さいました。
神様の存在を近くに感じられて、素直に感謝の気持ちが湧いてきます。ずっといたいくらい、素敵な空間でした。
ツリーテラス
材木だけで作られたツリーテラスです。上まで上がると周囲が見渡せます。
天気が良ければ海も見えますし、港川人と呼ばれる人骨が見つかった港川フィッシャー遺跡も見えます。
フィッシャーとは岩の裂け目で、港川人は人骨のみ発見され、生活物資が見つからなかったので、歩いていて誤って裂け目に落ちてしまったのではないか、または埋葬されたのではないかと考えられています。生活空間は川が流れていて横穴がたくさんある、ガンガラーの谷あたりではないかと考えられ、発掘調査が行われています。
武芸洞
ここの洞窟は広々としていて平らなので、古代の人の生活空間だったのではないかと考えられていて発掘調査がされています。
こちらのきれいに並んだ石は石の棺(ホンモノ)で、中から人骨が発見されました。貝で作ったネックレスとブレスレットも一緒に見つかっているので、加工する技術があったこと、亡骸を大切に埋葬していることから、大事な人だったのではないかなと思いました。
ツアー解散の場所は、ガンガラーの谷の向かいにある「おきなわワールド」の中でした。本当に広く繋がっていたことがわかります。
ガンガラーの谷の発掘調査はどんどん進んでいて貝で作った釣り針や土器、焼けたイノシシの骨なども見つかっています。まだまだ調査途中なので、新しい化石が見つかったり、年代が特定されたりすることと思われます。
港川人は琉球石灰岩の土地、火山のない沖縄本島だったので良い状態で発見されました。港川人は日本人のルーツではないかと研究されているのです。
古代の人々に思いを馳せ、たくましく生き姿を変えていく植物や鍾乳石に生命の神秘を感じました。いつもとは違う感覚に包まれるのでパワースポットして人気があるのも納得です。気持ちが穏やかにリセットされていくのを感じました。
ガンガラーの谷のアクセス
那覇空港から車で約30分で、那覇バスターミナルから路線バスで50分くらいです。「おきなわワールド」の向かいなので、両方訪れてもいいのですがたくさん歩きますので、歩きやすい服装と歩きやすいスニーカーで行くことをオススメします。
今回ご紹介したガンガラーの谷はツアー以外での入場は出来ません。CAVE CAFEは自由に入れます。
ツアーは前日までにWEBもしくは電話で予約が必要です。※ベビーカー、車いすには対応していません。
- 住所:沖縄県南城市玉城(たまぐすく)字前川202
- TEL:098-948-4192
- 駐車場:無料駐車場有り