65歳以上のワクチン接種が始まったとはいえ、65歳以下の接種が始まるのは当分先になる見込みの沖縄では、感染の不安を解消するためにPCR検査を希望する人が増えています。そこで現在沖縄でPCR検査が受けられる施設や受け方、検査費用を調査しました。
そもそもPCR検査とはなに?
連日のようにニュースなどで耳にする「PCR検査」ですが、PCR検査そのものは新型コロナ専用の検査法ではありません。あくまでもさまざまな検査方法の1つであって、「PCR法」という呼び方もあります。
PCRはポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)を略した言葉で、遺伝子(DNA)の検査に使われる検査法のことです。そのためPCR検査は新型コロナ専用の検査法ではありませんし、実施する場合は専門知識を持った検査員が検査設備の整った専門施設で行う必要があります。
一般的なPCR検査までの流れとは?
現在行政が実施しているPCR検査は、希望すればだれでも受けられるというものではありません。原則として「新型コロナの感染が疑われる場合」に限られており、感染者特有の症状が4日以上継続した場合に初めて相談ができます。
もちろん症状がひどい場合や基礎疾患のある場合などはすぐに相談ができますが、相談する場合は沖縄県が指定する「帰国者・接触者相談センター」または「かかりつけ医」が相談窓口です。かかりつけ医によっては感染が疑われる症状が出た場合に対応していないケースもあるので、基本は「帰国者・接触者相談センター」への連絡となります。
沖縄県内にある帰国者・接触者相談センター
沖縄県内で帰国者・接触者相談センターに指定されているのは、各地区にある保健所です。保健所によって管轄の市町村がそれぞれ違うので、住まいのある地域を管轄する保健所に連絡することになります。相談受付は、保健所の営業時間内に限られます。
- 那覇市保健所
- 【対象地区】那覇市
- 中部保健所
- 【対象地区】宜野湾市、沖縄市、うるま市、恩納村、宜野座村、金武町、読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村
- 北部保健所
- 【対象地区】名護市、国頭村、大宜味村、東村、今帰仁村、本部町、伊江村、伊平屋村、伊是名村
- 南部保健所
- 【対象地区】糸満市、浦添市、豊見城市、南城市、西原町、与那原町、南風原町、八重瀬町、渡嘉敷村、座間味村、粟国村、渡名喜村、南大東村、北大東村、久米島町
- 宮古保健所
- 【対象地区】宮古島市、多良間村
- 八重山保健所
- 【対象地区】石垣市、竹富町、与那国町
県内で24時間相談ができる施設
基本は各地域にある帰国者・接触者相談センターへの相談となりますが、営業時間外に症状が悪化した場合などは、24時間相談ができる新型コロナウイルス感染症相談窓口コールセンター(098-866-2129)に相談してください。
聞き取りについてはコールセンタースタッフが対応し、その後担当者の連絡先を案内されます。土日祝日でも24時間対応なので、保健所に連絡ができない場合は、沖縄県の新型コロナウイルス感染症相談窓口コールセンターを利用すると良いでしょう。
相談窓口に連絡しても検査が受けられないこともある
相談窓口に連絡しても、確実に行政が行うPCR検査が受けられるというわけではありません。かかりつけ医に相談した場合も感染が疑われると、診察した医師が直接県内にある保健所(帰国者・接触者相談センター)に連絡します。
医師が連絡をしても、保健所の指示がなければPCR検査が受けられません。さらに保健所に相談しても聞き取りの結果、新型コロナの指定医療機関に受診が必要と判断されなければ、自宅療養となります。
受診が必要と判断されれば、指定された医療機関で診察を受け、医師が「検査が必要」と判断することでようやくPCR検査が受けられます。ですから保健所に連絡をしても、実際にPCR検査が受けられるまでにはさまざまな手続きが必要です。また保健所に連絡しても、PCR検査が受けられないこともあります。
相談窓口を利用した場合の検査費用は?
行政が指定した手順に従って相談窓口に連絡をし、行政からの指示でPCR検査を受けた場合、費用は全額行政が負担します。ですから検査費用は無料です。
感染しているか確認したい場合に利用できる施設はないの?
症状がなくても感染の不安を少しでも軽減させたいという人も、徐々に増えています。
最近はドラッグストアで新型コロナ用の検査キットが沖縄県内でも販売されるようになりましたが、あくまでもセルフチェックですから、検査の方法はキットごとに異なります。都心部を中心に少しずつ検査キットを販売する店舗が増えていますが、取扱いをしている店舗も地域差があるため、近所のドラッグストアで確実に購入できるとは限りません。
県外では気軽に利用ができる民間企業の検査施設があり、検査後に陰性であれば陰性証明書の発行が受けられるサービスもあります。最近はビジネスシーンで陰性証明書の提示を求められることもあるため、このような民間検査場があれば沖縄の状況も大きく変わるでしょうが、現状としてはまだそのような状況には至っていません。
沖縄本島の一部薬局で任意のPCR検査が受けられる
検査体制が十分とは言い切れない沖縄ですが、2021年2月10日に、県内で多数の店舗を展開している「すこやか薬局」がPCR検査の実施を発表しました。実施しているのは感染者数が多い那覇市や沖縄市を含む沖縄本島8市町村にある11店舗で、検査時間に指定があるものの、希望すれば有料で検査が受けられます。ただし「無症状である」ということが検査を受ける際の条件です。
検査費用は?
現在沖縄本島11店舗限定で実施しているすこやか薬局のPCR検査は、有料制です。費用は税込み7700円ですが、陰性証明書の発行は行っていません。
検査結果はいつわかる?
すこやか薬局が実施しているPCR検査は、検査キットを使用しています。なお検査キットで判定が出るのは検査の翌日で、検査結果はメールで通知されます。なお検査の結果で陽性だった場合は、速やかに県内指定の帰国者・接触者相談センターに相談してください。