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都道府県別平均寿命ランキングで沖縄はどんどん下落!

健康・肥満

「ご長寿大国」という肩書でこれまで長く紹介されてきた沖縄県ですが、今やその肩書は沖縄のものではなくなっています。特に2000年代に入ってからは年々下落していく一方で、長寿県・沖縄を取り戻すには待ったなしの状態です。

平均寿命全国第1位だったかつての沖縄

沖縄は昔から豚肉を多く食べる食文化があります。「肉をたくさん食べる地域=肥満になりやすい=寿命が短い」といわれていますが、昔ながらの沖縄料理を食べていた時代にはそのようなことがありませんでした。

その証拠に全国で長寿に関する統計を開始した1975年から長い間、男女ともに「ご長寿第1位」をキープしてきたのが沖縄です。

伝統的な調理法で作った豚肉料理は長寿に効果あり

全国各地で食べられている豚肉ですが、沖縄では他県だと処分してしまうような部位も昔から食べられてきました。なにしろ沖縄では「泣き声以外はすべて食べられる」といわれるほど、あらゆる部位が食用として食べられています。

内臓も部位によって使い分けて調理しますし、頭の皮も食べます。さらに本州では焼肉店以外ではほとんど口にすることがない豚足も、「てびち」という煮込み料理で食べるのが沖縄豚肉料理です。

果ては豚肉の血も調理に使っていましたから、ミネラル、鉄分、コラーゲンなどさまざまな栄養成分が豚肉料理で補えます。

なぜ沖縄が長寿県から脱落した?

沖縄が長寿県から脱落したのはナゼか?いくつかの理由が考えられます。

伝統的な沖縄料理も味が濃くなってきた

伝統的な豚肉料理は、今でも沖縄で人気があります。ただしご長寿第1位だったころの豚肉料理と現在の豚肉料理では、作り方や味付けが違います。そもそも沖縄は高温多湿な亜熱帯地域ですから、冷蔵技術が発達していなかった時代には豚肉を塩漬けにして保存するのが一般的でした。

塩漬けにした豚肉は、塩の作用によって余分な脂肪が落とされます。食べる際には茹でて塩味を落としますが、内部までほど良く塩味が染みこんでいるのでシンプルな味付けでも美味しいです。ところが現在は食材の保存法も格段に進歩していますから、わざわざ塩漬けした豚肉を使う必要がありません。

しかもアメリカ食文化の影響もあって、味の濃い料理が好まれるようになりました。そのため料理そのものは同じであっても、調理法やカロリーは大きく違うのです。

うちなーたいむはもはや「死語」

温暖な気候とのんびりとした時間の中で日々を過ごすことは、ストレスを回避するうえで重要なことです。ストレスが及ぼす影響は非常に深刻で、ストレスに長くさらされていると精神衛生上に大きな問題が起きることは最近の調査によってわかっています。

ストレスは気候によっても感じるものですが、沖縄は1年を通して大きな温度の変化が少ないので、他県と比べると気候によるストレスはそれほど大きくありません。ただし時間の使い方は、昔と今では大きく違います。

今では車社会といわれる沖縄ですが、昔はそのような便利なものはありませんでした。沖縄本島には那覇を中心に本島各地に鉄道網が敷かれていましたから、遠方への移動も安い・早いが可能だったのです。

ところが戦後、沖縄の交通事情は大きく変わります。アメリカの支配下に置かれた沖縄は、鉄道網の復旧を行いませんでした。その代わり各地にある基地をアメリカ軍が移動するのに必要な道路が次々と整備されたため、安く移動できる手段としてバスが普及したのです。

ただしそれはあくまでも沖縄県民の事情で合って、ゆとりのある米軍基地関係者は車での移動がメインでした。その傾向は生活にゆとりができてきた沖縄県民にも波及し、沖縄県民の移動手段は車に置きかわってしまいます。

結果として道路の渋滞は慢性化しますし、時間も定刻通りにはいきません。人々は仕事のために時間を気にする毎日を過ごすようになり、「のんびりした沖縄特有の時間=うちなーたいむ」という表現も、まったく別の意味で使われるようになります。

車社会の弊害「肥満」

車社会になることによってストレスを抱えるようになったことも長寿県から脱落した理由の1つですが、車社会になったことで沖縄県民の肥満が問題になりました。肥満はさまざまな病気のリスクになります。

しかも車社会が進むのと同じスピードでアメリカの食文化(ファーストフードを含む)が一気に流れ込んできたので、「運動しないのに脂肪分が高い食事を好む」という悪い習慣ができてしまいます。このような状態が日常化したことによって沖縄の肥満度は高まり、長年継続してきた「長寿県」の肩書をおろすことになったのでしょう。

長寿県・沖縄を取り戻すには原点回帰もあり?

もともと沖縄は温厚な人柄と健康的な食事によって、長年「ご長寿日本一」の座を守り続けてきました。そんな沖縄ですが、今では沖縄男性の平均寿命は全国ランキング下位にあたる36位にまで下落しています。

しかも新型コロナの影響によって、コロナ太りも問題視されています。でもそんな今だからこそかつて長寿県といわれていた頃の沖縄の暮らしを振り返り、正しい食習慣と運動習慣を取り戻せば、再び長寿県としての肩書を取り戻すことも可能ではないでしょうか?

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