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落とすと大変!マブイってなに?

マブヤー

私が沖縄に来て初めて聞いた言葉の中に「マブイ」があります。「マブイ」ってなんでしょうか?調べてみたのでご紹介します。

マブイとは?

「マブイ」とは沖縄の方言で、生きている人の「魂」のことです。「マブイ」や「マブヤー」と言います。

沖縄では昔から人々の体の中には、いくつかの「マブイ」が宿っていて、生命や精神活動をつかさどっていると考えられてきました。「マブイ」と体は普段はともに機能しあって、体と心の健康を維持しています。

マブイは落とすと大変!

「マブイ」は体の中にあるものですが、とてもびっくりしたり、ショックなことに遭遇すると体からマブイが離れてしまいます。これを沖縄の人は「マブイを落とした」と言います。

マブイを落としてしまうと、ぼーっとした状態になったり、熱が出たり、食欲がなくなったり、脱力感に襲われたり、イライラしたり・・・と様々な症状があらわれ、困った状態になってしまいます。

そこで沖縄の人は、落としたマブイを拾いに行くのです。

マブイを落とした場所、つまり転んだり、事故にあってしまったところなど、びっくりした場所に戻って、「マブヤーマブヤー ウーテクーヨー」(魂よ 魂よ 戻っておいで)ととなえます。手でマブイをすくうしぐさをして、手のひらに乗せたマブイを胸に当てて体に戻します。これをマブイグミと言います。

例えば、転んでしまった子供に、おばぁーやお母さんが、「マブヤーマブヤー」って言ってマブイを拾ってあげます。子供だけでなく、大人もマブヤーを落としてしまったら拾いに行くという風習が今もあります。※全ての人が行っている訳ではありませんが、おじぃーやおばぁーから語り継がれている風習です。

工事現場からの大きな音に驚いたオバアが、「あいっ!大きな音に驚いたさー。マブヤーマブヤー」と言ってマブイを拾います。

もし交通事故にあってしまったら、もちろん病院に行って医学的な治療も受けますが、それだけでなく、事故にあった現場に戻ってマブイを拾います。深刻な場合には「ユタ」(沖縄の霊媒師)にお願いすることもあるそうです。

私は引っ越してきた当初は、面白い風習だなぐらいにしか思っていませんでしたが、最近は理にかなっているなと思います。本土でも「心ここにあらず」という言葉がありますね。心が体から離れてしまうと良くないことは誰もが感じているからこその言葉でしょう。

「マブイ」を探すことで、びっくりしたこと、ショックだったことから目をそらす効果もあるのではないでしょうか。マブイを拾って戻したからもう大丈夫って思えて安心するのではないでしょうか。沖縄の人々は昔から、目に見えないものを大事にしていることがよくわかります。

面白い看板も見つけました

こちらは駐車場にあった看板です。

マブイの看板

「チリとマブイ捨てるな」って書かれています。沖縄らしい看板ですね。

チリは沖縄の言葉でゴミのことです。チリとマブイを同列に扱っていいのか?とも思いましたが、どっちも捨てても落としてもマズイことになるものですね。この看板を見つけた時に、思わず「うまい!」と叫んでしまいました。

琉神マブヤーもいます!

沖縄県民なら誰もが知っているローカルヒーローに「琉神マブヤー」がいます。

マブイグミによって琉神マブヤーのマブイを宿し、琉神マブヤーに変身できるようになった青年が、9つのマブイストーンをねらう悪の軍団「マジムン」と戦います。マジムン達がマブイストーンを手にして封印してしまうと、そのストーンに標された沖縄のマブイが失われてしまうからです。琉神マブヤーはマブイストーンと沖縄のマブイを守るために戦います。

TVや映画にもなっていて老若男女問わず大人気なんですが、わからないウチナーグチ(沖縄の言葉)も多くて、字幕が欲しいなと思ってしまいます…。

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