すっかり沖縄の特産品として定着した”紅芋”は、お菓子など様々なものに加工されています。ですが、そもそも紅芋とさつまいもってどう違うのでしょうか?気になったので調べてみました。
見た目では区別がつきにくい!
さつまいもと紅芋は、両方とも紫色の皮なので区別がつきにくいです。切ってみると中身の色が違うことがわかります。
- 紅芋:赤紫
- 紫芋:鮮やかな紫色
- さつまいも:黄色みがかった白
それぞれ、いろいろな品種があるので一概に言い切れないこともあって、混同されています。
紅芋は、そもそもさつまいもの仲間ではないとの情報もありました。
その一方でさつまいもも、紅芋もヒルガオ科の植物であると記載されているものもあり、混同はまぬがれないようです。
さつまいものルーツは沖縄だった!
さつまいもの原産地は中央アメリカです。1605年ごろ、明(中国)から野国総管(のぐに・そうかん)が芋蔓を琉球に持ち帰ったのが始まりと言われています。その後、儀間真常(ぎま・しんじょう)が県内で栽培を広めました。やせた土地でも栽培が出来ることから、米や麦が不作の時など飢饉を救う重要な食べ物として重宝されました。
琉球では中国から来たいもなので、「からいも」とか「かんしょ」と呼ばれていましたが、琉球から薩摩、それから全国に伝わったので、「さつまいも」と呼ばれています。
少し前までは沖縄では主食のかわりにさつまいもを食べることもあったし、今でも沖縄の人はさつまいもが好きで、焼きいもはスーパーなどで一年中売ってます。
沖縄で栽培が成功していなかったら、日本全国にさつまいもが広まらなかったかもしれない、と思うと感慨深いものがありますね。
栄養面・調理法での違い
紫芋、紅芋、さつまいもは見た目だけでなく栄養面や調理法にも違いがあります。
栄養面
さつまいもは、食物繊維が豊富なので便秘解消に効果があります。
またビタミンB1、C、E、カリウムも豊富です。ビタミンCは熱に弱いのですが、さつまいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくい特徴があります。
紅芋の赤い色はアントシアニンと言う色素で、ポリフェノールの1種です。
ポリフェノールは、からだのサビである活性酸素を退治する効果があるとされています。さつまいもの栄養+ポリフェノールなので、積極的に取り入れたい食材と言えます。
調理法
紫芋は色が鮮やかですが、さつまいもや紅芋に比べて甘みが少なく、焼きいもにはあまり向いていません。
紅芋はさつまいもと同じように強い甘みがあるのでお菓子にもお料理にも使われます。
沖縄では紅芋を使った料理と言えば以下が有名です。
紅芋を使ったお菓子
- 紅芋タルト
- チーズケーキ
- モンブラン
- 紅芋チップス
- アイスクリーム
紅芋を使った料理
- てんぷら
- ごまだんご
- コロッケ
芋の調理方法に決まりはないので、パティシエや料理人の自由な発想でさまざまなお菓子や料理が作られています。
生のさつまいもは沖縄からの持ち出し禁止!
生のさつまいもも紅芋も沖縄からの持ち出しが禁止されています。
これは、いもの中身を食い荒らしてしまう、アリモドキゾウムシなどの害虫のまん延を防ぐためです。
「持ち出しが禁止」なので、スーツケースに入れて持ち帰っても、宅配便で送るのも禁止です。紅芋タルトなどお菓子などに加工されているものは、持ち出しが可能なので安心してください。
生で持ち出しができないことと、さつまいものおいしさに加えて紅芋の鮮やかなことから、持ち運びのしやすい様々なお菓子に加工されることが多くなったと考えられます。沖縄に来られたら、是非食べてみてくださいね。