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美しいと評判の「仲宗根豊見親の墓」を見に行ったら凄かった

15世紀末ごろから16世紀初頭にかけて宮古島を支配していたといわれる仲宗根豊見親玄雅(なかそね・とぅゆみゃ・げんが)。彼が生前亡き父の霊を弔うために建てたのが、「美しすぎるお墓」とも言われている「仲宗根豊見親の墓」です。

沖縄のお墓と言えば、山に横穴を掘ってお墓にした横穴式墓が有名ですが、仲宗根豊見親の墓は宮古島に伝わる「ミャーカ式」と呼ばれる伝統的な様式と沖縄本島に伝わる横穴式墓のミックス型。せっかくなのでちょっと中を見学してみました。

お墓の規模がデカすぎる!

仲宗根豊見親の墓

仲宗根豊見親の墓を目の前にしてみると、とにかくそのスケールの凄さに驚きます。実はこのお墓は全部で3つのお墓が集合しており、そのうちの一つを「仲宗根豊見親の墓」といいます。「仲宗根豊見親の墓」以外のお墓は、「知利真良豊見親の墓」と「アトンマ墓」といい、この3つの墓を総称すると「豊見親墓」といいます。

ちなみに「仲宗根豊見親の墓」は沖縄県指定史跡となっていますが、3つの墓をまとめた「豊見親墓」は国の指定有形文化財となっています。

豊見親墓

見るからに風格のある墓だった

お墓

正面からお墓を見てみるとちょっとわかりにくいかもしれませんが、まるでピラミッドみたいな形状をしているのがわかるでしょうか?これは沖縄本島のお墓ではほとんど見られない形です。この形のお墓は宮古島を代表する石造建築でもあるため、沖縄県内でも宮古島を訪れなければ見ることが出来ないお墓です。

お墓の中は棺や副葬品を安置する部屋と、洗骨された骨をツボに納めて安置する部屋の2つにわかれています。もともと沖縄では遺体は墓の中で数年かけて白骨化させ、改めて取り出した骨を洗い清めた後に骨壺に納める「洗骨」という特殊な葬送文化を持っています。

白骨化するまで棺が安置されている場所のことを、沖縄では一般的には「シルヒラシ」と呼び「不浄の場」と言われていました。だから洗骨によって清められた遺骨は遺体を安置する場所と分けて納めるというのが、沖縄独特のお墓の構造というわけなのです。

だからなのでしょうか?沖縄本島の墓ではほとんど見られない井戸が、仲宗根豊見親の墓にはあります。井戸に降りるための階段も設置されており、こちらでも見事な石積みが見られます。

井戸

「アトンマ墓」は「後妻さんの墓」だった

アトンマ墓

3つ目のアトンマ墓は、仲宗根豊見親のすぐ横にあります。これは仲宗根豊見親の一族とゆかりのある女性たちのお墓。実は「アトンマ」とは、宮古島の方言で「後妻」のことを意味しています。正室と同じ墓に入ることが許されなかった後妻のためにわざわざ作ったお墓が、アトンマ墓ということです。

後妻であるがゆえに同じ墓に入ることはできませんが、それでも主のそばに寄り添うようにして祀られている後妻たちの墓「アトンマ墓」。仲宗根豊見親という人物が、強さだけでなく人を思いやる心を持った素晴らしい領主だったということがここからも分かります。

仲宗根豊見親の墓(豊見親墓)
  • 住所:沖縄県宮古島市平良字西仲宗根3-32
  • 見学時間:設定なし(自由見学)
  • 入場料:なし

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すいか親方
国際通りのど真ん中に住んでいるため、ウチナンチュを見かけるよりも、観光客や修学旅行生と出会うことの方がはるかに多い毎日を過ごしている「すいか親方」です。
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