最近は日本各地で台風被害が大きくなったように思います。沖縄では年に7~8個の台風の影響を受けます。自然に逆らうことは出来ませんが、台風について知っておくことで、被害を小さくすることが出来ます。台風とはなにか?どんな場合に注意したらいいのか、知っておきましょう!
台風とはなにか?
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と言い、赤道より北、東経180度より西の地域にあって、低気圧域内の最大風葬がおよそ17m/s以上のものを「台風」と言います。
そのため、「熱帯低気圧」のことを「台風の卵」と言ったりするのです。
台風のエネルギー源は温かい海などで上昇する水蒸気から発生する、熱エネルギーです。そのため、海面温度が高いと台風が発生しやすく、台風が北上して寒気が流れ込むようになると勢力が衰えます。
台風の大きさと強さ
天気予報を見ていると「大型で強い台風」などと表現されます。大きさと強さには基準があります。
台風の大きさ
大きさは風速15m以上の範囲の半径によってわかれます。
- 大 型:500km以上~800km未満
- 超大型:800km以上
台風の強さ
強さは最大風速によってわかれます。
- 強い:33m/s~44m/s
- 非常に強い:44m/s~54m/s
- 猛烈な:54m/s以上
強風域は風速15m/s以上の範囲となり、暴風域は風速25m/s以上の範囲となります。
ほんの少し風速が遅くなっただけで、台風が熱帯低気圧になったり、温帯低気圧になったりします。台風じゃなくなっても、影響はありますので消滅するまで気を抜かないことが大切です。
台風の進路
意外なことに、台風は自力では動けません。周りの気圧配置や風の影響で動くのです。
原則として、台風は高気圧のヘリに沿って動きます。そこに偏西風などいろいろな要素が加わわります。進路予想の精度はどんどん進歩していますが、最近は迷走することも増えました。
台風の進路方向の東側で雨や風が強くなり、被害が大きくなりやすいことと、台風から離れていても、大雨が降ることもあると覚えてください。
ヘクトパスカル(hPa)ってなに?
ヘクトパスカル(hPa)とは気圧の単位です。ヘクトとは100倍の意味で、1hPaは100Paということです。
パスカルとはフランスの哲学者で科学者のパスカルの名前に由来します。「人間は考える葦である」とか「パスカルの原理」で有名なあのパスカルです。
そのため、hPaの表記のPは名前を示しているので、大文字なのです。
気圧とは空気にも重さがあり、押し付ける力があります。この押し付ける力のことを気圧と言います。山の上は気圧が低いですね。
同じ場所でも気圧は常に変化します。日本周辺の平均気圧は約1013hPaで、周りと比べて気圧が低いと低気圧、高いと高気圧と言います。
台風は熱帯低気圧が発達したもので、気圧の数字が低いほど勢力が強いと言えます。
もちろん、台風の強さは気圧だけでは測れません。ヘクトパスカルだけで台風の危険度を軽視すると痛い目に合う事が多いです。危険度を知るには最大風速や最大瞬間風速に注目したほうが良いでしょう。
参考になる例として、2018年に沖縄へ大きな被害をもたらした台風24号(チャーミー)。チャーミは中心気圧950hPaでした。950hPaだけに注目すると並のよくある台風だと考えてしまいがちなのですが、中心付近の最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルと非常に強い勢力のまま沖縄へ直撃しました。
台風は風が強い!
あたりまえですが、台風は風が強いのです。台風によって雨の降り方は変わりますが、台風で風が弱いことはない!と言い切ってもいいでしょう。風が強いとわかれば、どのような対策をしたらいいかわかりますね。
重要な事は「外に置いてあるものは屋内へしまう。」という事。
物干しざお、植木鉢、虫取り網、子供のおもちゃ、テラス用のイス、テーブル、カサ、ゴミ箱、ゴルフバック、つりざお・・・。外にあったものがなくなってしまうだけでなく、窓ガラスを割ってしまったり、通行人や車などに当たると命にかかわるので危険です。
飛びそうなものは凶器になると思ってください。台風が接近すると分かったら準備万端で過ぎ去るのを待ちましょう。
沖縄の場合の台風対策
沖縄には毎年、7~8個の台風の影響を受けます。台風の大きさや強さ、進路によって様々ですので、天気予報は常にチェックしてください。
沖縄の台風は個人的に次の3段階にわけられると考えています。
- 強風域があるが暴風域がない台風の場合
- 進路にもよりますが、念のため食料品を少し多めに買い置きしています。変更できる外出は延期します。
- 暴風域がある場合
- 暴風警報が発令されるとバス、モノレールが運休となり、学校や会社が休みになります。スーパーが臨時休業することもあるので、食料品、水、日用品(電池、トイレットペーパー、生理用品、おむつなど)を3日分程度、買い置きしておきます。外出はしません。
- 避難命令がある場合
- 避難勧告には段階がありますので、指示に従いましょう。
台風のことを知り、準備を十分に行うことで、被害を最小限におさえることができます。飛ばされそうなものはしまう、買い置きをする、外出を控えるだけでも、十分効果があります。台風にあらがうのではなく、うまくやり過ごす方法を考えましょう。