「沖縄で暮らしたい」「リゾートバイトで働きながら沖縄を楽しみたい」という人も多いのですが、全国一所得が低い沖縄ということもあり、給料(賃金)が気になるという人が多いです。そんな沖縄ですが、最低賃金は少しずつ改善傾向にあります。そこで現在の状況を、他県と比較しながら解説しましょう。
2020年度の沖縄・最低賃金とは
最低賃金は、年度によって変わります。例年10月に新たな最低賃金に移行するため、2020年度(2020年10月~2021年10月)の最低賃金は「792円」です。
沖縄県の最低賃金とは?
最低賃金は、労働者として沖縄県内で働く場合に適用されるものです。労働者には正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトにも適用されます。さらに臨時採用や嘱託、学生などにも適用されるので、「沖縄県で働いた場合に最低限保証される賃金」といえるでしょう。
地域に関係なく適用されるのも「最低賃金」の特徴
賃金は職業だけでなく地域によっても相場が違うのですが、最低賃金は地域に関係なく適用されます。ですから沖縄本島内だけでなく離島でも金額は変わりません。
沖縄の最低賃金をもとに月給を計算する方法
最低賃金は職種(特例とされる一部の職種は除く)や地域に関係なく、沖縄県内で働いた場合に貰える賃金です。そのため最低賃金から、最低月給を計算することができます。計算方法は「沖縄・最低賃金×1ヶ月の労働時間」ですから、この計算法に当てはめれば最低月給を知ることが可能です。ちなみに1日8時間で21日間(合計168時間)働いた場合、月給は13万3056円となります。
沖縄の最低賃金は毎年少しずつ上昇している
全国で最も低いといわれている沖縄の最低賃金ですが、過去10年間の最低賃金を調べてみると、毎年少しずつ上昇しているのがわかります。2011年度の沖縄・最低賃金は645円でしたが、2012年度は653円、2013年度は664円、2014年度は677円、2015年度は693円と5年間で40円アップしました。2016年はついに714円まで上がり、ようやく最低賃金が700円台に突入します。
ちなみに10年前の最低賃金で月給を計算すると、「645円(2011年度最低賃金)×8時間(1日の平均労働時間)×21日(1ヶ月の平均労働日数)=10万8360円」です。ですから2021年度と比べると2万4696円も高くなっています。
2021年度はついに800円台に
2021年度の最低賃金は、2021年10月8日に発行予定です。現在予定されている2021年度の沖縄・最低賃金は「820円」となるため、月給で計算した場合もこれまでより高い賃金が期待できます。
沖縄の最低賃金は全国一低いの?
これまで長い間沖縄の賃金は全国ワースト1位といわれてきましたが、少なくとも2020年度の沖縄・最低賃金は、全国ワースト1位ではありません。
というよりも沖縄と同じ金額を最低賃金と定めている県が、全国には7県もあるのです。ただし10年前の最低賃金があまりにも全国平均よりも低かったため、未だにその印象が強く「沖縄では働いても食べていけないのではないか?」と不安に感じる人も多いのでしょう。
とはいえ全国で最低賃金の額が最も高い東京都は、2020年度の最低賃金が1013円ですから、沖縄・最低賃金との差は221円とかなりの開きがあります。
ちなみに2020年度の東京・最低賃金をもとに1ヶ月の賃金を計算してみると、「1013円(2020年度東京・最低賃金)×8時間(1日の平均労働時間)×21日(1ヶ月の平均労働日数)=17万184円」ですから、2020年度沖縄・最低賃金で計算した月給と比べると3万7128円の差があります。
九州・沖縄地方で比較するとそれほど大きな違いがない
九州・沖縄地方で各県の最低賃金を比較してみると、最も高い金額なのは福岡の842円ですが、福岡以外の県では沖縄を含めすべて700円台です。しかも佐賀と大分は沖縄と同じ792円ですし、長崎、熊本、宮崎、鹿児島は793円と1円しか差がありません。ですから九州・沖縄エリアで働きながら暮らすことを考えると、福岡以外は沖縄とほぼ同じ状況といえます。
2021年10月以降は本格的な沖縄移住もおすすめ
最低賃金が800円台に突入する予定の2021年10月以降は、これまで賃金の安さから移住を諦めていた人にとってかなり良い労働環境になるといえます。
もちろん新型コロナの影響によって経済的に大きなダメージを受けた沖縄ですが、産業・職種によってはコロナ渦に置いても売り上げを伸ばしている企業があります。ですから本格的に沖縄移住を検討するなら2021年10月以降がおすすめです。