南国リゾートとして人気のある沖縄は、夏の暑さが厳しいといわれてきました。ところがここ数年は、沖縄の夏の印象が変わりつつあります。気温が高い時期が長く続く点は今も変わりませんが、他県よりも夏の最高気温が低いことが多いため、避暑地として夏の沖縄を訪れる人が増えているのです。
沖縄の夏は最高気温が35℃以上になることがほとんどない
ここ数年、全国各地で記録される最高気温には「35℃以上」と表示される地域が多数見られます。気象庁が発表している「歴代全国ランキング」によると、2020年8月17日の静岡・浜松地点と2018年7月23日の埼玉・熊谷地点の「41.1℃」が最高です。
ランキング20位に入っている最高気温はいずれも40℃を超えています。しかもその傾向は年々強くなっており、2020年にランキング20位(最高気温40.3℃以上)に入っている地域は5件もあります。埼玉・熊谷は昔から「最高気温が最も高い地域」として知られているのですが、避暑地として人気の地域でも最高気温が40.3℃を超えたことがあるという点が近年の傾向です。
夏の最低気温が高い地域ベスト15には入っている
沖縄は体温を超えるような最高気温を記録するようなことはありませんが、最低気温が高い地域ではあります。ところがそれも近年の記録ではなく最も新しい記録だと2017年になります。
観光客がひしめく沖縄・那覇市で最高気温が全国ベスト15に入ったのは2017年8月4日の29.7℃で、同じ時期に沖縄ではほかの地域でも29.7℃を記録しています。
このランキングで驚くのは、九州の中心都市である福岡県福岡市がランキング3位となる30.5℃を記録していることです。しかも記録したのは2018年8月22日と比較的最近のことなので、最低気温でも沖縄より他県の方が厳しい状況になっているといえます。
沖縄は本当に夏の避暑地として人気が高まっているのか?
夏の最高気温・最低気温を見ると、高温多湿で気温が高いというイメージが強い沖縄よりも、これまで避暑地として人気が高かった地域の方が気温は高いです。その点で見ると、「沖縄は避暑地として人気が高まっている」といってもよいでしょう。
ところが避暑地としてのイメージよりも夏のリゾート地としてのイメージの方が、未だに強いのが沖縄です。そもそも沖縄の夏は一年の半分以上あります。早ければ3月下旬には海開きが始まりますし、11月まではマリンレジャーも楽しめます。
12月のクリスマスシーズンでも半袖・Tシャツ姿で街を歩く姿が多く見られますし、日焼けが気になる期間も長いです。とはいえ周囲を海に囲まれているので気温が極端に上がらないのが沖縄の特徴ですし、どんなに夏が長くても最高気温が40℃に達することはありません。
最高気温は30℃台でも湿度は異常に高い
暑さを表現する言葉には「カラッとした暑さ」と「ムシムシした暑さ」がありますが、体感的につらいのは「ムシムシした暑さ」です。最近はハンディファンなど暑さ対策に人気のアイテムが人気ですが、ハンディファンで暑さがしのげるのは「カラッとした暑さ」に限られます。
湿度が低く気温が高い場合は風を当てて体を冷やすことで体感温度を下げることができますが、湿度が高いとハンディファンを使っても生ぬるい風しか起こりません。さらに息苦しさを感じるほど湿度が高いと、体力が激しく消耗します。
日陰で風通しの良い場所なら高温多湿の沖縄の夏も快適
気温だけに注目すると避暑地としての要素が高まっている沖縄ですが、避暑地として定期的に沖縄に訪れるのであれば、日影が多く風通しの良い場所を避暑用の滞在先に選ぶのがおすすめです。コンクリート住宅が多い沖縄では、上層階になるほど室内の温度が高くなります。
特に最上階は天井部分が熱くなるので、風通しを良くしてもかなり暑さがきつく感じます。またベランダに面した部屋は直射日光の強さから、外気温よりも室温の方が高くなるのが沖縄の特徴です。ですから避暑として沖縄を考えるのであれば、日中でも室内の温度が低く保てる物件・滞在施設を選ぶようにしましょう。