沖縄で初めてお盆を迎えるという方は他県とのお盆の文化の違いに驚く事も多いかと思います。沖縄でのお盆の過ごし方や文化について学んでみましょう!
毎年違うお盆の日にち
本土ではお盆は毎年8/13~8/15と決まっています。
しかし、沖縄ではお正月やお盆などの行事を旧暦で行うので、毎年日にちが違うことになります。以下は沖縄のお盆の日程です。
- 2018年のお盆
- 8/23~8/25がお盆となっており、8/23がウンケー、8/24がナガビ、8/25がウークイです。
- 2019年のお盆
- 8/23~8/25がお盆となっており、8/23がウンケー、8/24がナガビ、8/25がウークイです。
- 2020年のお盆
- 8/31~8/2がお盆となっており、8/31がウンケー、9/1がナガビ、9/2がウークイです。
- 2021年のお盆
- 8/20~8/22がお盆となっており、8/20がウンケー、8/21がナガビ、8/22がウークイです。
上記のように毎年旧暦を元に行われる沖縄のお盆。沖縄で売られているカレンダーには旧暦が書かれていますのでカレンダーを見ればいつがお盆なのかすぐに分かります。
旧盆は沖縄県民にとって、とても重要な行事なので、旧盆=夏休みではありません。仏壇のある本家に親戚一同が集まって、ご先祖様を供養する日です。県外で働いている人たちも「お正月は無理でも、旧盆には帰って来なさい。」と言われるくらいです。
従って、旧盆の頃は飛行機のチケットが取りにくく、沖縄県内は親戚まわりをする人々で道路が大渋滞になります。個人の経営する病院やお店はお休みのところが多くなります。
公立の学校もお休みだったり、会社もお休みのところもあるほどです。行こうと思っていたお店や施設がお休みのこともあるので要チェックです。そういう訳で沖縄に”遊び”に来るなら、出来れば旧盆は避けたほうがいいと思います。
旧盆の過ごし方
ウンケー(お迎えの日)-旧盆1日目夕方に家族そろってご先祖様をお迎えします。食事はウンケージューシーと言って、沖縄の炊き込みご飯を食べます。
中ぬ日-旧盆2日目親戚の家々を回り、仏壇に挨拶をします。食事は特に決まっていません。
ウークイ(お送りの日)-旧盆3日目旧盆で最も重要な日で、夜遅くにご先祖様をお送りする儀式をします。夜遅くに儀式をするのは、早々にご先祖様をお送りするのは失礼だという気持ちがあるからだそうです。
旧盆はこの3日間を指しますが、実際は旧盆の前にお墓を掃除したり、部屋も掃除したり、親戚を迎える準備も必要ですし、お中元も旧盆に合わせて届けますし、お供え物やお料理の準備とやることがたくさんあるので、「長男の嫁は大変」だとよく聞きます。
お供え物が独特です
仏壇は本土でも地域によって様々ですが、沖縄の仏壇はこちらです。
ちょっとタンスっぽい気もします・・・。
お供え物は沖縄県内でも地域によって異なるようですが、重箱料理、くだもの、サトウキビ、ガンシナー、ウークイカーサ、ソーローメーシなどなど。沖縄に来て初めて聞くもの、見るものが多くて、引っ越して来た時はとても驚きました。
重箱料理はお正月や清明(シーミー)と同じで、田芋、こんにゃく、かまぼこ、ごぼう、てんぷら、豆腐、三枚肉などを重箱に詰めたものです。
ウチカビはご先祖様が使うあの世のお金で、ウークイの日に燃やします。スーパーでも、楽天でも購入できますよ。
沖縄のお線香は「ヒラウコー(平御香)」で、黒くて平べったい形をしています。清明(シーミー)にも使われますので、スーパーでも、楽天でも購入できます。
旧盆前日の牧志公設市場周辺の様子
旧盆の前日、牧志公設市場はどうなっているか様子を見てきました。以前よりは旧盆用品が減ったと聞きましたが、それでも普段では見られないものもたくさん売られていました。
お供えする果物は、すいかやバナナとかパイナップルなどで、南国らしいですよね。お供え用は青くて、生食用のものとは区別して販売されています。こちらのサトウキビはご先祖様が杖にして使うものです。
下の写真の女の子の前にある大きな葉っぱはウークイカーサと言って、ご先祖様がお供え物を持ち帰る時に使います。その奥の箱に入っているのがガンシナーで、ご先祖様がお土産を頭に乗せて運ぶ時に土台にします。
行事の時によく食べられる中身汁用のモツや豚肉の塊などが、どんどん売られて行きます。
いつも人気のお菓子屋さんも、お供えのお菓子や、みんなで食べるお菓子などを買いに来たお客さんが多くて、本当に忙しそうでした。
夜はエイサーです!
もともとエイサーは地域の青年団が先祖の供養のために踊る伝統芸能です。
旧盆の夜に「道じゅねー(みちじゅねー)」と言って、エイサーを踊りながら道を練り歩きます。最近はコンビニやスーパーの駐車場で踊ることもありますが、基本は路上なので、交通規制もされるほどです。
おもに青年が大太鼓やパーランクーを叩きながら踊って、全体を見渡せる先輩がチョンダラーという道化役兼世話役という編成が多いです。若い女の子たちがいれば手踊りをします。三線や唄は年長者が担当することが多くて、なんと軽トラの荷台に乗って演奏します。夜遅くまで続く沖縄の風物詩の一つでもあります。
もし、旧盆の時に沖縄に来られた場合は是非、道ジュネーを見てみてくださいね。本物のエイサーの迫力を感じられますよ。