5月10日は「黒糖の日」です。5(こく)と10(とう)の語呂合わせですが、ちょうど収穫期を終えて黒糖の販売が本格的に始まる時期にあたります。沖縄の黒糖をご紹介します。
沖縄の重要な基幹作物です
黒糖の原材料は「サトウキビ」です。沖縄の亜熱帯性の気候がサトウキビの栽培に適していたので、古くから栽培され黒糖が作られてきました。
現在でも県内のほぼ全域で栽培されています。サトウキビ農家だけでなく、製糖業、運輸業、機械産業、販売業と関連する業種も多いので、沖縄の重要な基幹作物となっています。
また、サトウキビは食べるだけでなく、旧盆の時のお供えにもなります。ご先祖様がこの世に戻ってくるときの杖にして、あの世に帰る時はお土産をかつぐ時の棒になります。サトウキビは経済面でも精神面でも、沖縄の人になくてはならない大切なものと言えます。
現在、黒糖を製造する工場が稼働しているのは、伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島の8つの島々です。
黒糖はサトウキビだけで作られています
サトウキビの収穫時期は12月から4月ごろです。収穫されたサトウキビはすぐに製糖工場に運ばれます。工場に運ばれると、裁断して汁を絞り、不純物を取り除いた後、加熱して濃縮します。そのあと、攪拌(かくはん)しながら空気を入れて冷やすと黒糖が出来上がります。沖縄の黒糖は、水など他のものを一切加えない、サトウキビ100%で出来ています。お土産に購入する時は、サトウキビ100%か確認してください。
8つの島々の黒糖は、サトウキビの品質、土壌、気候や製造方法が異なるため、色や風味、味も異なります。どれがお好みか食べ比べてみるのも楽しいです。
黒糖は栄養も豊富だった
黒糖は沖縄のお土産としても有名ですが、沖縄の人も昔から日常的に食べます。銀行や薬局などで「ご自由にどうぞ」とキャンディと一緒に置いてあるのをよく見ます。素朴な甘さが疲れを癒しますね。沖縄のカフェでもコーヒーに入れるお砂糖が黒糖のことが多いです。
黒糖は甘いだけでなく、白砂糖に比べてビタミンやミネラルも豊富です。ミネラルの中でも特に鉄分が豊富なので、鉄欠乏性貧血に効果があるとも言われています。カバンの中に個包装の黒糖を持ち歩いている貧血気味の女性もいます。沖縄の人々が健康で長寿であったのは、黒糖の効果が大きいと黒糖の栄養が見直されています。
そのまま食べても、お料理に使ってもGOOD!
黒糖をそのまま食べてもおいしいですし、黒糖を使ったお菓子もたくさん販売されています。ちんすこう、サーターアンダギー、クッキー、バームクーヘンなどです。
日持ちもするのでお土産にもぴったりです。 粉末状の黒糖を購入するとお料理にも使えます。黒糖を使ったお料理を紹介しましょう。
- ラフテー
- 沖縄料理の定番、ラフテーは豚肉を黒糖と泡盛で煮たものです。黒糖のこっくりとした味わいで、お酒もご飯もすすみます。
- 油味噌
- 豚肉を味噌と黒糖で炒め煮にします。沖縄では常備菜であり、ご飯のお供やおにぎりの具にして食べます。
- 肉じゃがなど
- いつもの肉じゃがやサバ味噌を黒糖で作るとコクが出ます。素朴で味わい深いのが魅力です。
- スイーツ
- 黒糖を使ってスイーツを作ることも出来ます。ぜんざい、プリン、ロールケーキ、チーズケーキ、シフォンケーキなどなどです。沖縄のお店で食べることも出来ます。
毎年、5月10日には黒糖の日のイベントも開催されます。