8月4日は8(ハ)、4(シ)の語呂合わせから、箸の日に制定されています。食事に欠かせない箸に感謝する日です。沖縄の箸についてご紹介しましょう。
うめーしって見たことありますか?
食堂や沖縄そば屋さん、お弁当屋さんの割りばしの袋に「うめーし」って書いてあるのを見たことありますか?
うめーしとは、「うめぇ、めし!」の洒落ではありません。お箸のことです。割りばしじゃなくてもお箸なら「うめーし」です。なぜお箸を「うめーし」というようになったのかはわかりませんが、「めーし」もお箸のことをさす言葉です。「う」は丁寧語だという説もあります。
清明(しーみー)の時などにご先祖様にお供えするお料理を御三味(うさんみ)と言いますが、この「う」と同じなんでしょうか。沖縄の言葉って奥が深いですね。
でも、割りばしの袋に「うめーし」って書いてあるのは見ますが、「うめーし下さい」とか話し言葉では使わないように思います。本土では割りばしの袋に「おてもと」って書いてあったりしますが、「おてもと」も話し言葉では使わないですよね?うめーし=おてもと ではありませんが、不思議な共通点だと思います。
赤と黄色のお箸もあります
昔ながらの食堂や沖縄そばのお店に行くと、赤と黄色に塗られたお箸が出てくることがあります。テーブルの上の箸入れに立ててあることもあります。
諸説ありますが、この配色は琉球王朝時代に中国から伝わり、赤い色は「太陽」を表し、黄色は「月」を表している説が有力なようです。
昔は黄色は殺菌効果のある「ウコン」で着色し、赤い色は滑り止め効果のある「漆」を使っていたそうですが、今は普通の塗料が使用されています。
なぜ、赤と黄色なのかは、はっきりとはわかりませんが、食欲がそそられる色合いですね。このお箸で食べるとおいしさが増すような気がします。
「ウコン」はショウガ科の多年草で、インドネシアが原産です。英語名はターメリックで、スパイスとしてカレーに使用されたり、黄色の染料としても使われています。沖縄ではウコンは昔から肝臓に良いとされていて、アルコールなどで弱った肝臓の働きを回復させる生薬として珍重されてきました。ウコンを原料としたサプリなども販売されていますね。
「漆」は沖縄では採れませんが、高温多湿の気候が漆を乾かすのに適していたので、沖縄では漆器作りの歴史は古いのです。琉球王著時代の14~15世紀ごろに中国から漆器が伝わったとされています。祭祀や儀式の時に使われたり、中国からの使いの冊封使(さっぽうし)への貢物として、漆器製品が贈られたり、幕府へ献上されたこともありました。そんなことを考えると「たかがお箸、されどお箸」だと感じられます。
ちなみに赤と黄色のうめーしは通販でも購入出来ます。これさえあれば、自宅に居ながらにして沖縄の食堂気分を味わえますよ!