朝食にはパンという人も多いでしょう。パンの製法は外国から伝わったものですが、パンの語源は英語ではなく、ポルトガル語のパオが由来です。そう考えるとパンって日本語?すっかり日本に定着したパン。沖縄にもおいしくて人気のパン屋さんがあります。今日は「いまいパン」をご紹介したいと思います。
いまいパンの周囲はいい香りが漂っています
沖縄県那覇市真地にあるいまいパンへ行ってみました。
いまいパンへ近づくにつれてパンの焼けるいい香りが漂ってきて足を運ばずにはいられなくなります。お店の入口に立ってまず目に付くのはフランスパンがモチーフのドアノブです。日本のパン屋さんとは思えないほど細部までこだわっていて店主のパンへの愛が伝わってきます。
ドアノブを掴んでドアを開くととてもいい香りのするパンがずらりと並んでいます。
本当にぎっしり!びっしりで、パン屋なのにケーキまであります。
パパ(オーナーの今井陽介さん)がパンを焼いて、ママ(奥様のあいこさん)がケーキを焼いているそうです。お2人は3才の息子さんを育てているパパとママで、朝早く(7:30)から夜遅く(19:30)まで開いていて、いつでも品ぞろえを充実させているそうで、働き者ぶりに頭が下がります。
いまいパンは素材にこだわっています
いまいパンは地域に根ざしたお店なので、地産地消にこだわっています。
小麦粉は、沖縄県産の小麦とカナダ産などのブレンドで、牛乳は南城市のEM牛乳、卵は南風原(はえばる)の美ら卵を使っています。「繁多川(はんたがわ)豆乳パン」に使われている豆乳は地元、繁多川の老舗豆腐店のものです。
なぜ、こんなところにパン屋さん?
いまいパンは「識名園」から5分ほど、バス停からも離れたところにあります。車で行くにもちょっとわかりにくくて、しかも、まわりはお墓だらけです。「なぜ、こんなところにパン屋さん?」と、疑問が深まるばかりだったので、オーナーの今井陽介さんに伺いました。
すると、「奥様のお父様が経営されていた金物屋さんを引き継いだ」とのことです。まわりがお墓なことも、茨城ご出身のオーナーには「建造物としか思えない」ので、抵抗はなかったそうです。確かに沖縄のお墓は本土のお墓と違って、箱型で卒塔婆とかないですからね。おどろおどろしい雰囲気はないですね。
いまいパンの美味しいパン達をご紹介!
いまいパンはわかりにくいところにある小さい持ち帰りのみのお店ですが、ネットでも大人気のお店です。私がパン選びに悩んでいる間にも、どんどんお客さんが来店されます。
人気NO.1は「カスタードフレンチトースト」分厚い角型のパンにカスタードクリームをはさんだ、ボリュームたっぷりのパンです。カスタードクリームが絶品で、卵のおいしさとバニラビーンズの香りがします。
人気NO.2は「塩パン」シンプルなので小麦の味が良くわかります。フランス産ゲランドの塩が良いアクセントになっていて、素朴だけれど満足度の高いパンです。食事にも合いそうです。
オススメ①「クロワッサンショコラ」丸型のクロワッサン生地に自家製ガナッシュとカスタードクリームを詰めてあって、ガナッシュがくどくないのに、カカオのおいしさを味わえます。このおいしさは、他にないです!と言い切ってしまうくらい美味しいです。
オススメ②「あんこ餅デニッシュ」さくさくのデニッシュ生地にあんこ+お餅+カスタードがのっています。びっくりするような組み合わせですが、絶妙なハーモニーです。
毎回、家で食べようと思い購入しますが、待ちきれずに帰り道で食べてしまうという有様です(笑)
あんぱん(135円・税込み)丸い形でけしの実のトッピングとオーソドックスなスタイルです。
ひと口食べると、すぐにあんこが現れるのもうれしいですね。安物のあんこって、どことなく、ほこりっぽい感じがして、とても野暮ったいのですが、いまいパンのあんこは、ふっくらと炊いてあります。
しっとりとなめらかで、程よい甘さの安心して食べられる味でランチにもおやつにもなりますし、コーヒーにも牛乳にも日本茶にも合います。
きっと素材から吟味して、丁寧に作られたのだと思います。丁寧さは素材への感謝の現われだと思うので、店主の今井さんのパンへの深い愛情が伝わってきます。
バゲット(130円・税込み)私は何度もお店にお邪魔していますが、いつもタイミングが悪くてバケットにめぐり会えないでいました。ようやく、見つけたので早速食べてみました。
小さいサイズのバケットを選びましたが、そのままかぶりつくのは、ちょっと不安に思うくらいの固さですが、手で簡単にちぎることが出来ます。外側のカリカリした食感と中のふんわりした食感が絶妙です。
粉っぽさは感じられないのに、小麦の味がわかる気がします。なんだか、不思議な感じです。いまいパンの小麦粉は配合がポイントで、試行錯誤の末に沖縄県産とオーストラリア産、カナダ産、国産小麦をブレンドしているそうです。パンによって生地の味が全く異なるので、ブレンドの仕方も変えているのかもしれません。
バケットはほんのりとした塩味なので、食事の邪魔になりません。きっと、お肉でもお魚でもお料理のおいしさを引き立てるでしょうし、ブルスケッタなどのオープンサンドイッチにしても良さそうです。そんなことを考えながらも食べるのを止められなかったので、そのまま食べてしまいましたが、脇役にも主役にもなれるパンって凄いですね。
冷めてもおいしいバゲットですが、焼きたてはもっとおいしそうです。次は焼き上がりのタイミングに合わせて伺ってみたいです。
お土産にぴったりのお菓子もあります
いまいパンは、識名園から5分ほどのところにある為、そのお土産として「識名園るうまんぺい(浪漫餅)」がつくられました。
地元の老舗「丸吉塩せんべい屋」とコラボした商品で、琉球塩せんべいとフランスのお菓子フロランタンを融合させたお菓子です。平成27年度第38回 那覇の物産展事業 那覇市長賞 優秀賞を受賞しています。
わかりにくいところにあるにも関わらず、小さな「いまいパン」が大人気のワケは、地産地消にこだわって作った愛情たっぷりのパンと、パン屋としては珍しくケーキまで販売されている事が人気の秘密なのかもしれません。是非、訪れてあなたのお気に入りを見つけてみてください。
定休日は月曜日ですが、月に一回程度不定休がありますので、HPをチェックしてから来店されることをお勧めします。
- 営業時間:火曜~日曜:07:30~19:30
- 定休日:月曜日/月1回火曜日不定休
- TEL:098-836-3008