4月に入ると、「清明祭(シーミー)」って言葉をよく聞いたり、見たりすると思います。では、清明祭(シーミー)ってなんでしょうか?シーミーについて学んでみよう!
清明祭(シーミー)とは
清明(シーミー)とは、中国から伝わった二十四節気のひとつで、旧暦では3月、新暦だと4月の上旬になります。毎年変わるので、沖縄のカレンダーには「清明」って書かれています。
中国から伝わった「清明」には親族が集まり、お墓を掃除して、お供え物をしたあと、お墓の前にレジャーシートを敷いて、お供え物をみんなで食べる行事なので、お墓でピクニックのような感じです。知らないとびっくりしますね。
清明のルーツは、琉球の正史「球陽(きゅうよう)」には、1768年に尚穆王がはじめて毎年清明の節に玉陵(尚王家の墓)で祭祀を行うように定めたとあり、これ以降、本島内を中心に各地に普及したとされています。
清明の日に限定されていないので、それぞれの親族で集まりやすい日に行われるので、週末が多くなります。だいたい、清明の日から4月いっぱいかGWまで、よく聞く言葉です。
県外出身の私たちには関係ないと思っていたら、お墓のまわりに車がたくさん路上駐車していたとか、高速道路の「清明渋滞中」って表示に驚いたりします。家によっては、清明は1か所ではなく、先祖ゆかりのお墓を数か所まわる必要もあるそうで、親族でバスを貸し切って行うこともあるそうです。
重箱料理がかかせません
清明だけでなく、お正月の時などの行事に欠かせないのが、重箱料理です。重箱料理は御三味(ウサンミ)とも呼ばれます。「天と地と海」の食材を使った料理をお供えします。
重箱の内容は、地域や家庭によって異なりますが、基本的にはかすてらかまぼこ、紅白かまぼこ、揚げ豆腐、天ぷら、田芋、昆布、ごぼう、こんにゃく、三枚肉の9品です。
お料理の種類も奇数で、それぞれの数も奇数にする決まりがあります。きれいに、ぎゅうぎゅうに詰めます。重箱料理とお餅が定番で、あとは親族によって様々なようです。おにぎりやいなりずし、子供が多ければ、子供の好きなから揚げやミートボール、しゅうまいなど和洋折衷ですね。
あとは果物とレモンケーキなどの焼き菓子など。重要なのは「ご先祖様の前にみんなが集まって食事をすること」だそうです。
以前は家庭で重箱料理を作っていたようですが、最近はスーパーや天ぷら屋さんなどに注文する家が多くなってきたようで、チラシをよく見ます。
お花もお供えするので、スーパーやコンビニ、ケーキ屋さん、お花屋さんの店先で「清明」の張り紙やのぼりをよく見かけるのです。
うちかびとヒラウコー
「うちかび」はあの世のお金で、黄色っぽい紙に、丸い銭形の模様が押されています。ご先祖様があの世でお金に困らないように、お墓の前で燃やして届けます。
「うちかび」って本土にはありませんね。知らないでペーパーナプキンにしちゃった人がいるとか…。ホントかな?スーパーでも売ってますし、楽天でも購入できます(笑)
沖縄のお線香は「ヒラウコー(平御香)」と言って、黒くて平べったい形をしています。アジアっぽいですね~。お線香6本がくっついて1枚になっています。基本は12本(2枚)や15本(2枚と半分)ですが、御願の内容によって供える本数が異なるそうです。これもスーパーでも、楽天でも購入できます。
「所変われば品替わる」とは、このことを指すんじゃないでしょうか。
お墓も大きいです
昔ながらの亀甲墓は女性の形をしていて、亡くなった後、生まれたところに戻っていくという意味があるそうです。現代のお墓も清明ができるかどうかがポイントのようで、お墓のテレビコマーシャルでも「清明にも便利」と言ってます。
清明はとても重大な行事で、沖縄の人がご先祖様を大事にしていることがよくわかりますね。