沖縄そばは地域やお店によって、麺の太さも様々ですし、出汁の作り方もいろいろです。つまりは沖縄そばは無限の可能性があるってことですね。いろいろと食べ比べてみようと今日は赤嶺の「とらや」に行ってきました。
とらやはこんなお店
沖縄って外からお店の中の様子が見えないお店が結構ある気がします。お店の中の様子が分かったほうが入りやすい気もしますが、見えないと隠れ家的雰囲気もして、ワクワクしますね。ただ、ドアの向こうに人がいることがありますので、注意して引き戸を開けましょう。
店内は真ん中に大きなカウンターがあります。
正面の奥が厨房で、右手の奥には小上りもあります。大きなカウンターは真ん中で仕切られていて、たくさんの人が座れて、ひとりでも入りやすい雰囲気です。
私が訪れた時はお昼少し前だったので、お客さんは少なかったのですが、12:00を過ぎると次々にお客さんが来られました。
食券を購入して席に着くと、すぐに店員さんが受け取りに来てくださいます。テーブルの上の冷たいさんぴん茶、食券の販売機の隣りには熱いお茶があってどちらもセルフサービスになっています。
木灰そばとは
お店の看板に「木灰そば」とあります。これは「もくはいそば」または「もっかいそば」と読みます。沖縄そばは、小麦粉、塩、かん水で作られています。戦前はかん水の代わりに木灰が使われていましたが、今ではかん水が容易に手に入るようになったので、木灰を使うお店は少なくなってきています。
「とらや」は今でも木灰を使った貴重な沖縄そばのお店なのです。小上りのところの「麺場」と書いてある扉の向こうで、ガジュマルなどの木を灰にして、その木灰を硬水に入れてその上澄み(灰汁)を作るところからお店で作られている自家製麺のお店です。
とらやのメニュー
「とらや」のメニューはこちらです。
そばは沖縄そばと本ソーキそばの2種類です。器の大きさが大・中・小とあります。私はこちらのご飯がおいしいと聞いていたので、本ソーキそばの小ときんぴらごぼうのせごはんのセットをお願いしました。(630円)
カウンターの席に座るとすぐに店員さんが食券を取りに来てくださいます。麺は中細麺と平打ち麺の2種類があって、私はオススメと聞いたので中細麺をお願いしました。
本ソーキそばセットの実食です
持って来てくださったお漬物を頂きながら待ちます。(下の写真の右上です。)このお漬物は普通の浅漬けなのですが、とてもおいしいです。塩梅(あんばい)とはこの事を言うんじゃないかと思いました。持って帰りたいくらいおいしいです。
すぐに「本ソーキそばときんぴらごぼうのせごはんのセット」が運ばれてきました。器も素敵です。
本ソーキは別皿になっています。まずはスープを飲んでみると、鰹節のいい香りがします。鰹節と豚が8:2のスープだそうで、良い鰹節がたくさん使われているのがよくわかります。あっさりしているけど、旨みのあるおいしいスープです。
麺は細めのストレート麺です。かん水を使うと黄色っぽい麺になりますが、こちらは木灰なので白っぽい色をしています。麺の茹で加減がちょっと硬い気がします。もう少しだけ長く茹でたら、食感が違うのではないかと思いました。風味が損なわれるのかな?
沖縄そばは麺に油をまぶして作られます。油を落とすように茹でられているので油っぽくありません。油っぽいとせっかくのスープの味が変わってしまいますからね。本ソーキもしっかりと煮込まれていて、口の中でホロホロとくずれる感じがたまりません。
特筆すべきは、きんぴらごぼうのせごはんです。ご飯の上にたっぷりときんぴらごぼうがのせられています。丁寧に細く切られたごぼうとにんじんをお酒を使った煮汁で丁寧に炒め煮にしてあって、濃い目の味付けで少しだけピリ辛です。大人の味ですね。ご飯も進みますが、お酒が飲みたくなるような味でした。これで80円(平日だけのサービスです。)って、ホントに?って言いたくなるくらいおいしいです。ご飯はほかにもチキナーじゃこのせごはん、ひじきのせごはん、じゅーしーがあったので、こちらも食べてみたいと思いました。
沖縄そばのお店はたくさんあるけれど、県内の人にも県外の人にも好まれるのは、うわべの美しさやオシャレさではなく、この「とらや」のような”丁寧さ”であるなと思いました。
とらやへのアクセス
モノレール小禄駅と赤嶺駅の間にあります。小禄駅から赤嶺駅に向かって歩いて右側、美容院の奥で、歩いても5分くらいです。空港からレンタカーでもすぐなので、旅行者の方も利用しやすいお店です。
- 那覇市赤嶺1-5-14 金城ビル1F
- 営業時間:11:00~17:00(売り切れ次第終了)
- 定休日:なし(臨時休業の場合もあり)