いつも海を感じられる雑貨のお店”海想”に行ってお話を伺うと、お店のあちこちにサバニやサバニをモチーフにしたアイテムがたくさんあることに気がつきました。”海想”とサバニについてのお話も伺いましたので、さっそくご紹介しましょう。
サバニとは?
サバニや帆かけサバニと呼ばれるのは、沖縄の伝統的な木造船のことです。琉球と呼ばれていた頃、漁師が魚を捕るために改良をしていた船で、櫂を漕ぎ、帆を上げて時には海外まで航海していました。
サバニの起源はわかっていないそうですが、たまたま流れて異国の地にたどり着いたのではなく、意志をもって航海していたと想像されます。沖縄は本土や中国の文化をちゃんぷるーした文化ですから、その独自の文化の発達にサバニが深く関わっていたのではないかと想像されますね。
サバニ帆漕レース
サバニは優れた木造船ですが、戦後、エンジンの導入によってどんどん数が減ってしまいました。サバニが減ることによって、造船技術や操船技術も失われようとしています。
そのため、帆で走るサバニを復活させようと、沖縄の有志たちによって2000年の沖縄サミットの年に座間味島から那覇までのレースが始まりました。2003年から、”海想”チームは参加していて、常にトップクラスの成績をおさめていて、2015年からは優勝を重ねています。
お店のスタッフの方もサバニレースに参加されていて、2010年からは”海想”チームと”女海想”チームの2つのチームで参加して、どちらも好成績をおさめています。サバニ仲間の「サバニトリップ」、西表の「羽(ぱに)」も参加されるなど、人々やモノとの”絆”が増えて行っています。
サバニ帆漕レース開催!
ちょうど、お店に伺った翌日が「サバニ帆漕レース」と聞きました。座間味島から那覇までの約35kmを櫂を漕ぎ、帆を上げてレースをします。風が全くないと進みませんし、風が強すぎるとレースそのものが開催されないこともあります。2017年はものすごい向かい風で、時間内にゴールできたのは上位3船のみだったという、とても過酷なレースでした。
2018年も風が強い日が続いていたので、海上の様子が心配されましたが、無事に開催されました。このサバニ帆漕レースは陸上からは遠いのでレースの様子は見られませんが、うみそら公園に行くと戻ってくるサバニを見ることが出来ると伺ったので、お昼過ぎのうみそら公園に行ってきました。
帆を上げて走るサバニは美しく、かっこいいですね。仲間たちの出迎えを受けて、日焼けした笑顔の参加者さんを見ることが出来ました。古式ゆかしいサバニ、漕ぎ手はライフジャケットにくば笠をかぶっていて、到着したうみそら公園はBBQもできる整備された公園です。到着受付は高架道路の下にあります。
新旧入り混じった感じがします。いにしえの海人たちのスピリットが現在にも受け継がれている証拠だと思います。
2018年も”海想”チームは優勝です!女海想チームも3位でした!海想チームは35kmを3時間ほどでゴールしていますので、さぞたくさん練習したのだろうと想像されますね。お話を伺ったスタッフの方はサバニレースに出場されたこともある方でした。好成績を収める秘訣は「風を読むこと」だそうです。経験が大切なんでしょうね。
サバニプログラムもあります
海想のサバニはレースで優勝することが目的ではなく、サバニの技術の向上のために取り組んでいるそうです。そのため、サバニで奄美大島などへトリップしたり、サバニ遊びなどのイベント開催や体験サバニプログラムなどもあります。
カヌーは2人までしか乗れませんが、サバニは家族や仲間同士で乗れるので楽しみ方も増えます。夏休みにもよさそうですね。公式サイトでスケジュールをチェックしてくださいね。
最後になりましたが、お話を伺わせていただいた、海想のスタッフの皆様、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。